森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

箱根 仙石原湿原植物園

2013年01月14日 | 風景
昨年の秋、箱根に出向くことがありついでに仙石原湿原植物園に立ち寄りました。本当はじっくり時間をかけてこの周辺の散策をしたいところなのですが僅かな時間しかない中で、この当たりの自然や植物を知る上では植物園の野外展示は貴重なものです。新潟とまるで環境が異なりますからどこまで自分の知識が使えるのかも試してみました。といっても全然だめで見るものすべてが新鮮なものばかり。わずかに図鑑や資料で見聞きしている程度で、せいぜい「ああこれがあそこに載っている種なのか!」と感激するばかりでした。かつて静岡にいたことがありましたから、そこで見たかすかな記憶もよみがえってきたものもあり充実した時間になりました。
これはそこに向かうときに出会った富士山の遠景です。いいお天気でした。

クサタチバナ 実

2013年01月14日 | 自然観察日記
季節は秋、実の季節。花を見に来る人には物足りないかもしれないが、花だけが植物のすべてではありません。実も素晴らしい造形。あるいは枯れ行く姿も考えさせられるものが多々あります。この季節もとてもいい季節です。
ガガイモ科の実を見つけました。近くにあった種名板にクサタチバナの表示がありました。名前を知ってはいたものの実物を見るのはこれが初めて。ほとんど葉などは落ちていて、実だけがいくつか枝先についている状態です。ガガイモの仲間とはすぐわかりましたから、弾けて綿毛が出ているものがないか探しましたが残念ながらありません。
花は初夏に白い清楚な花を咲かせるのですが、これはまだ見たことがありません。西日本山地に自生してることになっています。そろそろ絶滅危惧種に指定されるかもしれないという貴重種です。

クサタチバナの表示板

2013年01月14日 | 自然観察日記
実を見つけた近くに20cm程度の焼き物で種名を表示してあります。これなら経年劣化をすることがないので素晴らしいアイデアと感心しましたね。しかし、作るのはかなりお金がかかる仕事と思われますから、自分がいる里山フィールドミュージアムでの応用は難しいなぁと思った次第です。焼き物は青みがかっていますが、花は純白です。ぜひ実物を見てみたいですね。