森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

八方尾根散策

2016年02月08日 | 自然観察日記
暖冬といわれて気を緩めていたところにドカ雪。その後も日差しがあったかと思えば雪の舞う越後の空。春が早いいかもと期待はするもののまだ2月。タイムリーな観察記録をブログにすることがまだできません。野外に取材して新鮮な話材を見つけるまでは昨年の記録をもとに話をしたいと思います。当分の間、昨年の山歩きの企画で出向いた八方尾根で見た草花について取り上げることにします。
7月の下旬、夏山の最盛期で色とりどりの花も咲き乱れている季節です。1800m程度の八方池山荘まではゴンドラ、リフトを乗り継いで上がります。八方池山荘から八方ケルンを経て八方池までのおよそ250m程度の高度差の尾根を花や大展望を楽しみながら登る計画。スカッとした晴天ではないものの高山の風はさわやかで参加者ともども楽しい一時を過ごすことができた散策でした。


八方ケルン

2016年02月08日 | 自然観察日記
行程の半分よりやや登ったところ。大きなケルンがあります。八方ケルン。基本的には尾根道ですがかなりの凹凸もあり小規模ながら雪田植生も見られるました。風の強い尾根筋は高木は育ちません。八方池山荘から上でまともな高木を思い出せません。しかし、高山植物は結構にぎやかでアザミ類からクガイソウ類カライトソウなどがどんどん目に入ってきました。圧巻は黒菱平前後のリフトから見たスキー滑走の斜面に生じた草原でまさに花の絨緞でした。

八方池

2016年02月08日 | 自然観察日記
八方池の湖面に北アルプスの尾根を写した景観を見たかったのですが、今回は実現できませんでした。深い霧で直ぐ近くにあるはずの稜線も分からずじまい。八方尾根は下から上に丁寧に調べればすごい数の種が確認できるのですが八方池までは概してガレの尾根で植生は貧弱。個体数も多くないのでロックガーデンを散策する風情です。研究が進んでいて各種の変種などに名前がついていて「ハッポウ」何々という種が結構あります。にわか勉強してもなかなか頭に入らないものも多くまた見過ごしてしまう種も多々あってガイド役としてはいまいちの感じでしょうか。しかし、個人的には3度目の八方尾根大いに楽しませていただきました。