森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

アケボノシュスラン

2016年11月29日 | 自然観察日記
11月中旬になっても花が咲いているというのは珍しい。結構貴重な植物でやや湿った日陰の林床に群生して生育しています。花は早いものは8月の後半には見られますから約3ケ月間という花期の長い種ということになります。晩秋のころは上部を覆っていた葉などが少なくなって、枯葉などが積もるとはいえ葉には一定の光が届くと思いますから、この季節はアケボノシュスランにとっては大切な成長期なのかもしれません。これから冬に向かおうとする季節に青々とした葉がまぶしい感じです。

アケボノシュスランの果実

2016年11月29日 | 自然観察日記
この季節、さすがに花を持つ個体は希でほとんどが葉腋に実をつけた状態です。これがこのまま乾燥して裂開して細かな種子が出ていくのでしょうか?しかし、これからの季節はほとんど晴れ間もなくやがて雪が降り埋もれる運命ですから、おそらく雪の中で果皮が朽ち中の種子が流れ出てしまうというような散布をするのではないかと想像しています。

アケボノシュスランの群生

2016年11月29日 | 自然観察日記
里山フィルードミュージアム内ではアケボノシュスランが群生する箇所がいくつか分かっています。管理を意識的にしているせいか年々増加する傾向にあるように思います。遅くまで花を楽しめる野生のランですから生育環境を壊さないようにしていきたいと考えています。