森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

カタクリとキクザキイチゲ

2022年04月11日 | 自然観察日記
この季節の越後の山野は花盛りになります。代表格がカタクリとキクザキイチゲでしょうか。越後丘陵公園に隣接する集落ではカタクリを女カタコ、キクザキイチゲを男カタコと呼んで昔から愛でているという話を聞きました。太平洋側の太郎坊(タチツボスミレ)と次郎坊(ジロボウエンゴサク)という対比に似て雪深い越後では男女の物語を連想させるような対比で呼ばれていることにとても興味を抱いたものです。

カタクリの花

2022年04月11日 | 自然観察日記
春といえばサクラ・・ばかりではありません。カタクリも実に存在感のある花です。ところで、不思議に思っていることにカタクリはほぼ日本全国に自生しているのですが、形質の揺らぎがほとんどないようなのです。九州から北海道まで分布しているそうで、海抜は2000ⅿ位まで見られるそうです。とても広い範囲に分布自生するカタクリですが、何県のカタクリもみんな同じで変異とか地方型のような話を聞いたことがありません。唯一白い花のカタクリくらいが品種レベルで話題になる程度でしょうか。外国種もいくつかあるようですがカタクリ属としては決して多いものではありません。

カタクリの葉

2022年04月11日 | 自然観察日記
なぜカタクリは変異が少ないのでしょうか?カタクリは自家不和合性が強く昆虫の手を借りて他花から花粉を運んでもらう必要があります。有性生殖をおこなう種ですからいろいろな性質のある子供ができても不思議はないのですが、閉鎖された空間に生育するという種ではなく全国の個体が自由に交配できるということであれば形質の揺らぎは起こらないといえるかもしれません。ただ、葉の文様がある無いという「個体変異」は比較的よく見られるます。カタクリは球根の分球でも増殖できます。