森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

イイギリ

2012年02月17日 | 自然観察日記
鉢植えのイイギリが赤い実をたわわに付けていました。ちょっと感激。野生で見たことが無い種で出会いたい植物の一つです。県内では糸魚川地域に自生しているという話は聞いたことがありますが、あまり出かけることが少ない地域ですからいまだ実現していないという次第です。

イイギリ 実

2012年02月17日 | 自然観察日記
どんな味がするのか一粒とって味わおうとは思いましたが、これは売り物。そんな失礼なことは気が引けてやれませんでした。あまり多く自生していない種だそうですからあまり鳥が好んで食べるようなものではないのでしょうか。自然界にあれば結構目立つ色具合です。

カイガラムシ

2012年02月16日 | 自然観察日記
綺麗な花が咲いている鉢の内側を覗いてみるとそこにはまた別の世界があります。小枝の下部に嫌われ者のカイガラムシがへばりついていました。細かな種名は分かりませんが、ここで長い口吻を出して樹液などを吸っているのでしょう。カイガラムシは種によって違いがあるのでしょうが、幼体は結構動き回りますが成体は固着生活をします。ふと気がついたことですが、固着生活をしているなら子孫を作るのはどういう方法なのでしょうか?詳しい人に教えを請う必要があるようです。
それより興味のあることが植物と昆虫との関係です。この場合は植物にとっては不利益な「寄生」関係ということになります。いろいろなケースがあって植物も結構昆虫を利用していますね。いずれにせよ両者の関係は特異性をもっています。ざっくり言えば1対1になっているということで、片方がいなくなると他方も生存できないという関係ですね。嫌われ者でも大きな自然の生態系の中ではそれなりの意味があるのです。

ストック 長花柱花

2012年02月15日 | 自然観察日記
キク科に舌状花と管状花の違いがありますが、もっと細かく見ていくと同じ個体でも異なる花が見られる場合があります。例えば花柱の長短で、この花は花柱が長い長花柱花です。アブラナ科のストックの花で見つけました。花柱の長短は同一の花のおしべめしべの位置を違えることによって自花受粉を避ける仕組みと考えられています。こういう知識をもって花を見るとまた一味違った面白さを得ることができます。単純に花の色の美しさを愛でるばかりでなく、自然の奥深さを味わえますね。

ストック 短花柱花

2012年02月15日 | 自然観察日記
その種が2形の花を持つかどうかは、いくつかの花を注意深く観察し花柱に長短があるかどうか確認する必要があります。長花柱花だということは短花柱花があって初めて認識できることです。
観察するということが実は新しい世界を見つけ出す最も基本になります。花柱のことはよく知られたことですが、まだまだ気づかない形質がたくさんあってそれに気づき一つの筋が通った解釈があれば新発見につながります。

ツワブキ 管状花

2012年02月14日 | 自然観察日記
 人はなぜ花に惹かれるのでしょうか。食物などとしての直接的な必要性はありません。花から実に変化することを知り花に関心を持つ必然はあったでしょうが、そういう次元ではない思いをいつからどういう理由でもつことができるようになったのでしょうね。不思議です。人に最も近いとされるチンパンジーは単純に「綺麗だなぁ!」と思うことはあるのでしょうか?機会があったらそういうことを調べている人に話を聞いてみたいですね。
 植物のいろいろな面が不思議です。このツワブキの花、キク科を特徴づける管状花の拡大ですが、この絵からもいろいろな想像ができます。おしべが目立つ花とめしべが目立つ花があって、その両者が同時に成熟している様子にはなっていません。推測ですが、まずおしべが熟し花粉を放出しそれが終わったあと真ん中にあっためしべが成熟(先端が2つに割れている)するようです。つまり、時間差があるのです。この時間差は自家受粉を避ける仕組みと感がえた場合、一つ一つの花の時間差は隣の花との関係ではうまく機能していません。なぜならここに写る全てが一つの個体だからですね。それならもっとうまく説明する何かがあるのでしょうか。もっともっと観察する必要があります。



妄想

2012年02月13日 | 自然観察日記
ムギ粒みたいな葯、いがぐり頭・・・、ピエロを真上から見ているような・・・。いやいや、目玉にも見えるなぁ・・・。キンメダイはこんな感じの目玉だったような・・・。今夜は悪い夢でも見そうですね。これはラナンキュラスの花の中心を見たものです。よくよく見れば雌しべも雄しべも不思議な色と形をしています。植物の造詣は面白いですね。

パンパスグラスの種子

2012年02月12日 | 自然観察日記
顕微鏡を使うほどでなくしかし肉眼では見えにくい世界に興味があります。高性能のカメラを使えば簡単にその世界が覗けます。しかし、いくら高性能でも技術が伴わないとできるものもできませんね。私のデジカメレベルでも結構面白い世界が見えるのですが、なかなかピントを合わせることができなくていつも歯がゆい思いをしています。
 パンパスグラスの種子を取ってみました。それでもなんとか細かな毛の様子が分かりますから、私としてはまずまずのところです。それにしても見事な造詣ですね。普段見慣れている穂はボヤーッとしたふわふわしたものですが、そこを拡大してみるとこうなるのです。少しだけふくらんだところが種子の本体でそのほかは風に飛ばされるような工夫で細い毛が四方八方に沢山出ています。右側に出ているやや太い白いものが種子につく芒(のげ)ということになるようです。

レオノチス 若いがく筒

2012年02月11日 | 自然観察日記
茎が四角でトウバナのように小さな花が対性の葉の腋から沢山出ています。シソ科の特徴を示しているのはレオノチスというアフリカ産の花。がく筒から赤い花冠が覗いている姿が気に止まりました。小さな花冠が大きくなりながらがく筒を上ってくるという図式の写真ですが、なんとなく不思議な光景です。若いがく筒がぽかーんと穴が開いている・・・。それとも咲いた後?いやいや覗いてみるとかすかに下のほうに赤い色が見えます。それが下から押し上げてきて筒が開くのが普通のようなきがするのですが・・・。

レオノチス がく筒

2012年02月11日 | 自然観察日記
これは花冠が落ちた後のがく筒。違いが分かりますか?かすかに丸みを帯びて種子が実ってきたような感じがします。それにしてもこの花、咲き出す前と花が散った後のがく筒がほとんど同じ。色彩の変化もほとんどありません。面白い花ですね。もう少し時間が経つともっと違いが出てくるのでしょう。

レオノチス 花

2012年02月11日 | 自然観察日記
レオノチスとはこんな花です。異国情緒のある花ですね。ライオンの耳とかいうニックネームがあるのだそうです。私は花よりがく筒の面白さに惹かれました。

サネカズラ 実

2012年02月10日 | 自然観察日記
サネカズラの果実です。雌雄異株のつる植物。残念ながら県内には自生はありません。近縁のチョウセンゴミシが自生しているといわれますがあいにく私は見ていません。このサネカズラ、実つきが悪く説明しないとサネカズラとは思えませんね。うまくいけば果実は球状になります。じつは1つの花にめしべが沢山あってそれが一つずつ結実して全体がボール状になるのです。これ、全体で1つの花が変化してきたと考えるわけですが、多くの花が集まって球状になる場合もあれば単一でも球状になる・・・。自然というのは面白いですね。
そういえば、昔々伊勢神宮の藪の中に芽生えていたもの(当時は何か分からなかった)をつれてきたのがこのサネカズラ。雄株で庭の片隅にはびこっています。雌株を連れてこないと実は見れません。

ヤマドリのつがい

2012年02月09日 | 自然観察日記
朝車庫のほうの様子を見に行ったときに出会いました。今年も、我が家の周りにヤマドリが住みついているようで、つがいで散歩です。慌ててカメラを取り出し構えるも、シャッターチャンスがありません。家の向こう側に回りこんで待ち伏せしてもうまくいきません。ようやくつがいとして収めたのがこのカット。おそらく前が♀で後ろが♂。♂のほうがやや大きいようです。後を追うと必ず♀を先にやってこちらを警戒していました。♂が♀を守るというような行動が随所に観察されました。しかし、悠然と歩いていたのが見通しのよい雪原ではまるで異なり、それはそれは必死に駆け足前進です。何か物陰がありそうな場所まで走る姿が滑稽でした。昨年はキジが最初に姿を見せてその後ヤマドリでしたが、今年はヤマドリが最初です。

スイセン(原種)

2012年02月08日 | 自然観察日記
節分が終わり暦の上では春です。冬の真っ最中であっても1月の気分とはかなり違ったものになります。今年は例年以上に寒い年ですから遅くなりそうですが、それでも雪のない地方でのウメの話したとかスイセンの話しとか耳にする機械も多くなります。
公園の作業ももう少ししたら始まります。例年ならバラ園のつるバラの誘引をこのころから行うのです。雪に埋もれたバラを雪堀をして株元から全体を掘り起こしての誘引作業。雪堀は大変な作業ですが、これがちょうどいい運動で健康な体を作るには適しているような気がします。つるバラはこの季節が一番しなやかで無理な曲げにも耐えてくれます。綺麗に誘引し訪れるお客様に喜んでもらえるように棘に引っかかれながらがんばりましょう。でも、里山での活動はもう少し先で早くて3月の中下旬、4月からが本格化しますからそれまでの間のトレーニング期間ですね。


屋根から滑り落ちた雪

2012年02月07日 | 自然観察日記
連続す売る寒波やっと一息ついてくれました。屋根の雪下ろしを一回やったものの、落下式の屋根部分が再びご覧のとおり。ほおって置くわけにも行きませんから、久しぶりの晴れ間を使ってこの雪を処理しました。落雪に埋まらないように慎重にしなければなりません。魚沼方面の豪雪地域の人から見たら物の数ではないのでしょうが、雪の処理は疲れますね。雪はキライダ~・・・・。!
とはいえ、雪の性質は面白いなぁとも思います。固体でありながら流体なのです。飴のように変形していく姿はこれはこれで興味深いもの。子供の頃、雪が鉄棒(径5cmはあったはず)を「U字形」に曲げたことを見たことがあります。雪の重さだけでなく粘りというか粒子が互いに凝集する力のすごさに驚嘆したものです。