最初何の樹か分からずいろいろと思いめぐらせていたのですが、樹幹はコブシに良く似ています。花芽も高い位置にあり、周囲のコブシによく似ています。しかし、樹肌がまるで別物。滑らかな肌でなくザラザラ。いろいろ考えた挙句の結論が荒れ性のコブシです。これも個性なんでしょう。人間と同じですね。いろいろな性質の個体があるのです。自然は奥が深いのです。
ハンノキの林の中に特徴的な冬芽をもった木々が点在しています。頂芽の色が濃褐色。全体的な雰囲気がモクセイ科の特徴を示しています。こういう環境に生育するのはヤチダモと判断。ヤチダモを見るときは大体巨木を見ますから、芽の状態など観察できる範囲にはないのが普通ですから私の辞書には載っていませんが、これがヤチダモだったらもう二度と忘れられません。
ただ、ここには大木が見当たらずせいぜい径15cm位で樹高10m未満。少し離れた場所にはもっと小さな個体が林を作っていました。最近できた林でしょうが、経験的にヤチダモの生育する姿に重ならないのが気になるところです。もう一度訪れて葉がある季節にしっかりと確認して載せたいと考えています。
片隅には大型のユリ科の芽だしが何個か見られます。この芽は・・コバイケイソウ? 確定的なことは言えないのですがおそらくそうだと思います。花の咲く季節のコバイケイソウは見慣れてはいるものの芽出しの季節はまったく記憶がありません。植物を深く理解するには花の季節だけでなく他の季節の顔も見る必要があります。
山菜取りをする季節が近づいていますが、コバイケイソウをオオバギボウシ(ウルイ)間違えて採集し食中毒事件を起こすことがあるといわれます。口にすることがありそうな種であればこそ一年間通して観察する必要がありますね。
山菜取りをする季節が近づいていますが、コバイケイソウをオオバギボウシ(ウルイ)間違えて採集し食中毒事件を起こすことがあるといわれます。口にすることがありそうな種であればこそ一年間通して観察する必要がありますね。
バイケイソウの仲間ならシュロ網は無いはずですが、芽出しの基部にそれらしきものがあります。さて?シュロソウにしては芽がやけに大きい・・・。少々混乱気味。幾分園路から離れたところの個体です。良く見ると他の枯れ草が引っかかったようにも見えますから、シュロ網ではないと気づきました。他のどの芽もシュロ網などありません。この地域では最も可能性のあるのバイケイソウの仲間だと考えられます。
ミズバショウ園と名付けられた湿地はハンノキの巨木が生い茂る場所で、所々でリュウキンカやミズバショウの群落ができています。新潟を含めこの近辺の山岳の沢地にはよくある景観です。周囲の水はけのよい傾斜地にはカラマツが多く植林されていて、植林できない湿地が取り残されて今に至っているといった方が正しいのでしょう。取り残されたがゆえに昔からの自然が残されて新たな価値が見直されているのが現状です。隣接したスキー場の周囲にはせっかく植林したカラマツが切り倒され無残な姿がありました。
湿地の片隅にアケボノシュスランが覆っていた枯葉を押しのけながら顔を出していました。その中に昨年花をつけまだその名残を付けている個体もありました。アケボノシュスランの花の季節はものの本などでは8月からとあるものの、私が見ている限りでは8月から9月ではなく10月以降です。飯綱の個体もおそらく晩秋に開花したものではないかと思います。開花の早い個体群も他県にはあるということでしょう。遺伝的性質が異なっているようですね。
ニリンソウ以上に驚いたのがナニワズです。こんなじゅぐじゅぐな場所にナニワズがたくさん自生いているのです。越後でナニワズを見るのは弥彦山塊が定番で、いづれも水はけのよい斜面ですから湿地のナニワズは意表を突かれた感じです。ナニワズの新たな顔を発見した感じです。
自然の中で起こっていることが真実ですから、より多くの真実を観察することが真理に近づく一歩です。できるだけ思い込みを捨てて観察出来る眼を維持していきたいものです。
自然の中で起こっていることが真実ですから、より多くの真実を観察することが真理に近づく一歩です。できるだけ思い込みを捨てて観察出来る眼を維持していきたいものです。
雪解け間近ではあるものの春の気配はあちこちで見られる季節です。ミズバショウの花も見え始めてきています。そのわきにはナニワズの花も見られました。ミズバショウやリュウキンカと並んで咲くナニワズは私にとってかなり奇異な感じを受けました。
人造湖の霊山寺湖の先、ニリンソウ園とミズバショウ園と名付けた湿地植物が自生するエリアがあります。今回はここを覗いてみました。ニリンソウが群生する湿地です。雪解けが済んだばかりで花の季節にはまだまだ早く、花を想像するしかないのですがこの広さでニリンソウが咲けばかなり迫力ある景観になることは確かで地元が力を入れている理由が分かります。
ニリンソウは至る所に群生する種ですが、じゃぶじゃぶの水の中に住んでいるニリンソウを見たのは初めてですね。確かに湿り気の強い場所を好むようですが、案外水はけのよさそうな場所にもたくさん自生していますし、むしろそういった場所で見る機会が多かったせいで、この生態には驚きです。脇にリュウキンカがあって地表には水が流れている場所にさえ新葉を出してきた株がありました。雪代(ゆきしろ)が終わると水の流れは無くなるのかもしれません。
北信濃を訪ねます。牟礼の当たりから北信五岳のうち4山が一列に並び壮大な景観が望めます。広角レンズでないと画面一つに収まらないので、細切れの撮影。これは飯縄山(霊山寺山)1917mで、今回はこの麓を散策予定です。
快晴に恵まれて解放感にあふれる雄大な景色に一時堪能。そういえばまだこの頂上を踏んでいません。若い頃は日本の名山を全て登ろうなどと思ったこともあったような気がしますが、今の体力では夢のまた夢・・・。下から眺める戦術に変えなければなりません。
快晴に恵まれて解放感にあふれる雄大な景色に一時堪能。そういえばまだこの頂上を踏んでいません。若い頃は日本の名山を全て登ろうなどと思ったこともあったような気がしますが、今の体力では夢のまた夢・・・。下から眺める戦術に変えなければなりません。
飯縄に並び左から戸隠山(1904m)、黒姫山(2053m)、妙高山(2454m)。五岳にはもう一つ斑尾山(1381m)が入るのですがこの位置からではそのピークは分かりません。戸隠の奥にはさらに急峻な尾根が続き有名な高妻山などがありますが、ここもまだ足を踏み入れていない未知の場所。しかし、中央に見える黒姫山の鞍部でオサバグサに魅せられた思い出や右側の妙高山山頂直下の急峻な山道を喘ぎながら登ったことなどが脳裏をよぎります。まだ早春、山は白く裾のはまだ目覚めていないようで枯野が広がっています。
カタクリのシーズンもそろそろ終わりになりました。丘陵公園では、今年も美しい景観が展開し大いに盛り上がりました。いろいろ話題になったなかにこの奇形花があります。「緑の花」を見つけたなどといって自慢する向きもないわけではありませんが、これはどう見ても奇形の花。蘂の発達も不完全で種子をつくる能力はない個体です。ここ毎年花を付けますから栄養はしっかり作り蓄えているようですが、花を作る能力は欠けているようです。公園のなかの個体を見ている限りでは奇形花が発生するエリアが決まっているようなので、子孫を作れないこの複数の個体は同一親株から同時にできたものではないかと推測しています。
実はこのような奇形花は県内いろいろな所で見つかっていて、ウイルスが感染したのではないかとか、マイコプラズマではないかとかいくつか検討されていますが確たる証拠が無くいろいろ実証実験の段階です。某大学の先生に分析を依頼している最中でどんな解答が来るか楽しみですね。
実はこのような奇形花は県内いろいろな所で見つかっていて、ウイルスが感染したのではないかとか、マイコプラズマではないかとかいくつか検討されていますが確たる証拠が無くいろいろ実証実験の段階です。某大学の先生に分析を依頼している最中でどんな解答が来るか楽しみですね。