水と森の公園の散策路の切通しの上に白い花を見つけました。チャの木です。チャは大陸から入った植物ですから、人の生活がここにあったようです。この公園のかつての姿は茶畑などがあったのでしょうか。放棄された茶畑から生き延びたチャが藪の中で花を咲かせているという景観です。
チャはツバキの仲間。サザンカ同様冬に咲く花。よく知られた茶ですが、花となるとあまり見ないのではないでしょうか。最近の帰化植物ではなくヤツデ同様県内にも古くから移入されいつの間にか定住していると思われる種はどれくらいあるのでしょうか?。
海岸近い林を散策したときにシロダモの樹が目に留まりました。花と実が一緒に見られる時期ですから観察にはちょうどいいかもしれません。クスノキ科の常緑高木ですが、県内ではせいぜい亜高木のものがほとんど。昔海岸線があった新津あたりの山麓にも見られますが、ほとんど海岸線に沿った比較的温暖な場所に見られます。
ケンポナシは山野に自生していますが、古い民家などには庭に植栽されたのか時折かなり大きい株を見ることができます。落葉が終わらない時期のケンポナシ、枝先にクネクネと曲がった枝が見えます。この枝は花軸といえばいいのでしょうか、先端には実がついていて花後肥大したもので、食べることができる部位。山の子供のおやつだったとか。
まだ枝に付着しているものもあるのですが、ケンポナシの樹の下にすでに落ちた花軸がありました。拾い集めて見ると二つとして同じ形のものは無いようです。先端の丸い部分が本当の実、それに繋がるふくらんだ部分が食用部で、かじると梨の食感です。かじってみました。最初は甘く、しかしやがて渋味があるので口の中が不快な状態に。渋柿が低温にさらされるとやがて渋みが抜けますが、おそらく同じような性質があるのかな?という感想です。二日酔いに良いとかいろいろな薬効も言われるようですが、渋みさえなければおやつの代わりに花うと思います。
野山の藪にはしばしばみられるカナムグラ。雌雄異株の1年生つる植物ですが、晩秋はその雌雄をはっきりと判別できる季節です。といっても、雌花はすで終わっているのですが、花後の果実が熟す段階で苞葉が赤く色づくたっめに見つけやすい時期です。
カナムグラは全体に固い棘が沢山あります。どこを触ってもざらざらとしています。鋭さがないのと短いのが救いで触れても怪我をすることはありませんが・・。しかし、秋の草花はこの棘が生活を支える重要な道具で、周囲のものに引っかかりながら成長します。そうすれば、丈夫な太い茎は必要はありませんしエネルギーもあまり使わなくて上に伸びることが可能なのでしょう。
カナムグラと同じアサ科に分類されるカラハナソウが同じに見られました。雌株の花序はすでに種子を包み込んだ果穂になっているのでしょう。ビールのホップと同属の主として知られています。この種の種子を炒ってもホップと同じような味があるのだそうです。
ギンリョウソウは春から夏に見られますが、秋に見られるのはまずギンリョウソウモドキと考えていいと思います。いろいろな違いがあるのですが、ギンリョウソウモドキはうつむいて花が咲きますが、果実を実らせるときは上を向き次第に乾燥し蒴果を完成させます。ギンリョウソウは茎が枯れても瑞々しい液果が残りやがて崩れていきます。