見慣れないアカバナ科の植物がスキー場の斜面に花をつけていました。一見してマツヨイグサの仲間ですが今まであったことがない種ですからたぶん帰化植物だろうと予想して調べました。ヒナマツヨイグサという北米産の帰化植物に辿り着きました。1949年群馬県で確認され各地に広がっていいるとあります。嬬恋村は群馬県の外れですからこのエリアにも進出してきているのでしょう。
野谷平(やちだいら)への入口はパルコール嬬恋というホテルのスキー場です。その斜面を少し歩いて吾妻山に登る登山道がありその途中に野谷平があります。海抜1450mほどの位置にあるのですがそこに入り込んでいる植物が帰化植物から在来のものまでいろいろ面白いものが見られました。普段見慣れているヒメジョオンとばかり思っていたのですが、どこか雰囲気が異なるように感じてまじまじと観察し帰宅後図鑑で調べ見慣れたヒメジョオンではないことが分かりました。目にした時の「違和感」が新しい種に辿り着かせてくれました。長い間自然に親しんでいつのまにか私もそんな観察眼が備わってきたのかと自分なりに感心しています。
高山植物の一角をなすシラネニンジンが見られました。あまり個体は大きくなくササなどの陰に隠れて窮屈そうに生育していました。高山帯で見る個体とはかなり雰囲気が違います。少し疑ったのですが調べてやっぱりシラネニンジンという結論です。
日本海側の亜高山から高山他にかけて生育するとされるヒトツバヨモギが見られました。吾妻山が日本海側の山域かどうかは少し疑問が残るところですが太平洋よりは圧倒的に日本海の方が近いことは確かです。幾分湿り気のあるような場所が好きなのでしょう湖のへりやや谷筋などで見かけることが多いようです。1mほどに生育しかなり大型になることもありしばしば大株になっています。ただ、この種があたり一面覆いつくすような大群落は記憶がありません。
ヌマガヤなどイネ科草本の草むらにハクサンボウフウが見られました。個体数は多くありませんが海抜1600mほどの位置ですからそろそろ高山帯の要素が出てくるエリアになりますからこういう種も見られるのでしょう。