テレビで今、「なにこれ珍百景」という番組をやっているが、それより以前に、赤瀬川原平や南伸坊らアーティストらが「路上観察」(トマソン)で珍風景を紹介していたことがあった。
それを促したのは戦前から活躍していた今和次郎(コンワジロウ)でもあった。
本人は庶民の生活を克明に実証調査していたのだが。
おしめの柄描写、食堂の食器のひび一覧、公園の自殺者の場所図絵、主婦の台所動線図、通行人の持物調査など。
オイラもそれらに影響されて、以来スカシブロックや路上観察・路地裏探検を忘れていない。
ちょうど、新橋で今和次郎のギャラリーをやっているのがわかり、急遽見に行った次第。
行ってみて、今和次郎は想像以上に守備分野が広く深いのが分かった。
建築・デザインの草分け的存在だけでなく、東大セツルメントと連動して民衆の生活改善や東北人の自然(災害)への取り組みも調査している。
しかも緻密なデッサンはまさにアートそのものだ。
素晴らしいと思ったのは、建築家らがかもしだすエリート目線ではなく、民衆と同じ目線であろうとしたところである。
今和次郎は民衆と同じようなジャンバーを着ながらスケッチや調査をしていたという。
来場者の多くは背広・ネクタイのいかにもその筋の人が目立つ。
貧民窟・戦後のバラック・東北の冷害災害被害・寒村の民家などにも積極的に立ち至った姿勢に、あらためて覚醒される思いだ。
それは柳宗悦(ヤナギムネヨシ)らの民芸運動にも通底するものがある。
「考古学」ではなく「考現学」という視点を拓いたところが素晴らしい。
庶民の目線からブレないことが今日の閉塞を脱皮する鍵である。
それを促したのは戦前から活躍していた今和次郎(コンワジロウ)でもあった。
本人は庶民の生活を克明に実証調査していたのだが。
おしめの柄描写、食堂の食器のひび一覧、公園の自殺者の場所図絵、主婦の台所動線図、通行人の持物調査など。
オイラもそれらに影響されて、以来スカシブロックや路上観察・路地裏探検を忘れていない。
ちょうど、新橋で今和次郎のギャラリーをやっているのがわかり、急遽見に行った次第。
行ってみて、今和次郎は想像以上に守備分野が広く深いのが分かった。
建築・デザインの草分け的存在だけでなく、東大セツルメントと連動して民衆の生活改善や東北人の自然(災害)への取り組みも調査している。
しかも緻密なデッサンはまさにアートそのものだ。
素晴らしいと思ったのは、建築家らがかもしだすエリート目線ではなく、民衆と同じ目線であろうとしたところである。
今和次郎は民衆と同じようなジャンバーを着ながらスケッチや調査をしていたという。
来場者の多くは背広・ネクタイのいかにもその筋の人が目立つ。
貧民窟・戦後のバラック・東北の冷害災害被害・寒村の民家などにも積極的に立ち至った姿勢に、あらためて覚醒される思いだ。
それは柳宗悦(ヤナギムネヨシ)らの民芸運動にも通底するものがある。
「考古学」ではなく「考現学」という視点を拓いたところが素晴らしい。
庶民の目線からブレないことが今日の閉塞を脱皮する鍵である。