昨日訪問したお寺の屋根の鬼瓦(獅子口)を習性としてやはり見てしまう。てっぺんに3本の「経の巻(マキ)」を乗せて、その下に2本の「綾筋」、中央に家紋、下には「荒目流し」の足、というきわめてオーソドックスな鬼瓦が配置されていた。ちなみに鬼瓦は総称で個別にはこれは「獅子口」という。
天皇が通る「勅使門」の鬼瓦も同じパターンだったが、綾筋が逆V字型なのが珍しい。この逆V字型の綾筋は古代の経の巻を示すという。家紋はもちろん菊。雲や波を表す足には草のような斜線がはいっているのも珍しい。やはり差別化だろうな。その下には最近若い女性が注目しているハート形の猪の目がしっかり用意されている。なぜ猪の目なのかわからないが、魔物を猪のパワーで退散させるということか。
三ツつ目にみた鬼瓦は、波を表現した細い板状の額縁を一番下に配置していた。屋根の都合で勾配が緩い場合にバランスで配置されるようだ。中央の家紋は藤の花のようだ。
反対に勾配が急な場合は「蕨手」の下に雲紋と「荒目流し」でカバーしている。中央の家紋の周りには「台線」と言われる模様で囲んでいる。経の巻には「三つ巴」の祭り模様がされているのも珍しい。なかなかおしゃれな瓦に仕上がっている。
銅版で覆われた鬼瓦はてっぺんに1本の経の巻を置き、中央に家紋、左右に渦のような文様を描いている。広大なお寺の敷地にある建物の屋根の鬼瓦だけでも標準的とはいえ微妙に違うのが見どころでもある。