一日の王

「背には嚢、手には杖。一日の王が出発する」尾崎喜八

最近、驚いたこと⑩ ……NHK朝ドラ「エール」の最終回のコンサート……

2020年11月30日 | 最近、驚いたこと

窪田正孝主演のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「エール」の最終回を観て、驚いた。
11月27日(金)放送の最終回は、
NHKホールを舞台にした「コンサート」という異例の内容となっていたからだ。
本編としてのドラマパートは一切入らず、
主人公・古山裕一のモデルとなった福島県出身の作曲家・古関裕而の数々の名曲を、
ドラマに出演していた人気キャラクターたちが歌いつなぐ……
その思い切った演出に、度肝を抜かれた。

司会は、古山裕一(窪田正孝)、古山浩二(佐久本宝)、関内吟(松井玲奈)の3人。
ドラマの中で既に歌を披露していた、
佐藤久志(山崎育三郎)、
御手洗清太郎(古川雄大)、
藤丸(井上希美)、
夏目千鶴子(小南満佑子)、
古山音(二階堂ふみ)
関内光子(薬師丸ひろ子)
藤堂清晴(森山直太朗)はもちろん、
ドラマでは歌う機会のなかった
藤堂昌子(堀内敬子)、
岩城新平(吉原光夫)もコンサートでは歌っており、
その歌声にも驚かされた。
※村野鉄男(中村蒼)もギターで参加している。


【コンサート曲目】
(1)「とんがり帽子」(古川雄大、井上希美、小南満佑子、子役)


(2)「モスラの歌」(井上希美、小南満佑子)


(3)「福島行進曲」(古川雄大)


(4)「船頭可愛や」(山崎育三郎、ギター・中村蒼)


(5)「フランチェスカの鐘」(堀内敬子)


(6)「イヨマンテの夜」(吉原光夫)


(7)「高原列車は行く」(薬師丸ひろ子)


(8)「栄冠は君に輝く」(森山直太朗、山崎育三郎)


(9)「長崎の鐘」(二階堂ふみほか全員、指揮・窪田正孝)





個人的に、最も嬉しかったのは、
やはり、薬師丸ひろ子。
本編のドラマでは讃美歌496番「うるわしの白百合」の3分間独唱があり、
大いに驚かされたのだが、(コチラを参照)


最終回のコンサートでも「高原列車は行く」を、
他の出演者よりも少し長めに歌っていたので嬉しかった。


まさか、最終回がコンサートになり、古関裕而さんの歌を歌わせていただけるなんて……

と語り、さらに、

「岩城さん、歌がうまいのよ」と光子の台詞でもありましたが、ドラマでは歌うシーンのなかった岩城さん(吉原)の魂のこもった歌に感動しました。とても幸せな時間でした。

と、岩城新平役の吉原光夫の歌声を褒めていたが、


「イヨマンテの夜」を高らかに歌い上げた彼の声量に驚いた人も少なくないだろう。
ミュージカルファン以外にはあまり知られていないが、吉原光夫は元劇団四季団員で、
2011年、帝国劇場開場100周年記念公演『レ・ミゼラブル』において、
日本公演の歴代最年少となる32歳で主演ジャン・バルジャン役を演じ、
以降、2019年にかけて5度もジャン・バルジャンを演じている実力の持ち主。


最終回コンサートで彼の歌声を知り、ファンになった女性も多いことと思われる。



私が、薬師丸ひろ子の次に嬉しかったのは、
「フランチェスカの鐘」を歌った堀内敬子。
昌子(堀内敬子)は最初、20代の銀行員として登場し、


後に藤堂清晴(森山直太朗)の妻となるのだが、


銀行員時代のコミカルな演技に対し、


後のシリアスな演技の対比が見事で、


藤堂の死を知らされるシーンは涙なくして観ることはできなかった。


堀内敬子も、元劇団四季団員で、
その歌声は折り紙付きであったが、
あれほどゴージャスなドレス姿で歌う彼女を見るのは初めてで、
その美しさにも驚嘆した。


「エール」最終回コンサートに出演させていただけることになり、とても光栄です。昌子としての撮影は終わった後、「また撮影があるかもしれません。」とマネジャーから話がありました。それもどうやら私が歌うらしいということを聞き「歌??昌子が??えーーーどうしましょう。歌わせていただいていいのでしょうか?」という気持ちになりました。ありがとうございます。見どころはたくさんありますが、やはり吉原光夫さんの歌唱でしょう!!私も「エール」を楽しみに見ていただいた皆さま、スタッフ、キャストへの感謝を込めて、歌わせていただきました。お楽しみに。

と語っていたが、
堀内敬子と吉原光夫の歌唱は、
ドラマでは披露されていなかっただけに、
一層の驚きと喜びを視聴者に届けたのではないだろうか……



こうして振り返ると、
今回の朝ドラ「エール」には、
作曲家・古関裕而の人生を描いていただけあって、
歌える人が多くキャスティングされていたのが判る。
それだけに、
最終回のたった15分間のコンサートでは物足りなく感じたし、
今回のコンサートでは歌っていない、菊池桃子、柴咲コウ、仲里依紗、野田洋次郎、マキタスポーツ、松井玲奈、森七菜なども加え、
1時間くらいの完全版を放送してもらいたいと思った。
いつの日か、ぜひぜひ。

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