一日の王

「背には嚢、手には杖。一日の王が出発する」尾崎喜八

星生山・中岳 …こんな風景を見ること以上に重要なことなんてあるわけがない…

2010年01月03日 | その他・佐賀県外の山
お代官様、お赦し下さいまし、
私が悪うございました、
もう今後一切、あのようなことは致しません、
どうかご勘弁を~

と言いたくなるくらい(言ってることの意味が解らん)、
素晴らしい風景を、
正月早々見てしまった。(なんじゃそりゃ?)
昨年、私は何か悪いことをしただろうか?
あれほど美しい風景を見ることができたということは、きっと何かの罰に違いない。
今年一発目の登山で、あれほどの風景を見てしまったなら、残りの362日は空しく過ごさなければならないのではないか……という恐怖が私を苦しめる。(オイオイ)
今年はもう良いことは無いような気がする……(そこまで言う?)
お願いだ~「そんなことはない」と言ってくれ~(コラコラ)

1月3日(日)、
新春登山をしようと集まったのは、からつ労山の、
会長、テツ、イチ、K一郎、+3K、H野、アキ、タク
の8名。
正月は何かと忙しいハズ。
「それでも山に登り隊」隊員8名は、テツさんの8人乗りの車で、一路くじゅうへ向かう。
今日は、大曲から星生山へ登り、久住分かれから天狗ヶ城を経て中岳を目指す。
帰路は、北千里浜よりスガモリ越を経て大曲に戻ってくる行程。
8:00
大曲着。
準備、ストレッチ。
アイゼンを装着する。
天気予報は快晴と言っていたが、どんより曇っている。
残雪はあるものの、長者原や大曲周辺には霧氷は見られなかった。
「今日は霧氷は見られないのか……」とちょっと不安に。

8:20
出発。
今日は私はサブリーダーを仰せつかり、先頭を行くことに。
踏み跡はなく、このルートは我々が今日最初の登山者だ。
いきなりの急登が続く。
正月に美味しいものをたらふく食べ、酒を浴びるほど飲んでいた仲間にはキツイ登りだったかもしれない。(笑)
正月気分も吹っ飛んだことだろう。
ちなみに私は年末年始は仕事してました。ハイ。


40分ほど登った辺りで、前方の木々が白くなっているのに気が付く。


「霧氷だ~!」


そこから先は、星生山山頂までずっと霧氷のオンパレード。


最初可愛かった霧氷も、次第に凄みをおびてくる。


ちょっと凄すぎる風景。


これぞ冬山の醍醐味!


岩にはエビの尻尾が無数に付いていて、美しい模様を描いている。
まさに自然が創り出した芸術。


写真がぶれているのではない。
そういう風に見える霧氷がスゴイ!


9:57
星生山山頂に到着。
山名が書いてある標識はエビの尻尾で覆い尽くされ読み取ることができない。


山頂を出発。
慎重に歩を進める。


右側が切れ落ちているので気が抜けない。


久住山が見えてきた。
美しい!


見上げると霧氷の林。


どこを切り取っても絵になる風景。


陽が差してきて、霧氷が一段と輝き出した。


霧氷を逆光で見ると、まるで宝石のようだ。


10:45
久住分かれ避難小屋通過。
天狗ヶ城へ向かう。


すごいエビの尻尾だ~


まるで白い珊瑚礁!


正月といえども、
こんな風景を見ること以上に重要なことなんてあるわけがない。


御池を下に見ながら天狗ヶ城の最後の急登。


白と青の世界。
登った者だけが見ることのできるもうひとつの世界。


陽が差してきて、氷結した御池が輝く。


11:27
天狗ヶ城に到着。


天狗ヶ城から見た久住山。
九州の山じゃないみたい。


遠くに祖母・傾の山々が……


これから向かう、九州本土最高峰・中岳。
凛とした美しさ。


天狗ヶ城から下り、中岳へ登り始める。
途中、山頂部を見上げる。


11:48
中岳山頂に到着。
「アキさん、今この瞬間、九州本土で君より高い所にいる人はいないんだよ」


私もついでに……(笑)


12:10
池ノ小屋の傍で昼食。
私は今日も具だくさんチャンポン。
寒い日はチャンポンが美味い!


こんな風景を見ながら食べてました~
すごい贅沢!


12:47
池ノ小屋を出発。
池ノ小屋からは、御池がこのように見える。


御池は氷結しており、歩いても大丈夫だった。


こうして見ると、星生山は本当に美しい山だ。


目にするものすべてに恍惚となる。


再び思う。
こんな風景を見ること以上に重要なことなんてあるわけがない。


13:23
久住分かれより北千里浜へ下り始める。
雪があるので、かえって歩きやすい。


三俣山が見えてきた。


13:54
スガモリ越に到着。


14:03
スガモリ越を出発。
硫黄山の噴出する蒸気を見ながら下る。
蒸気が逆光に映えて美しい。


14:40
大曲に到着。
新春登山を無事終えることができた。
ちょっと恐くなるくらい素晴らしい登山だった。(笑)
年末年始仕事をしていた私にとっては、今日、やっと正月が来た感じ。
いや、盆と正月が一緒に来た感じ……か?(爆)

アイゼンを外し、登山靴をスニーカーに履き替えていると、三俣山が見えた。
「ほら、砂糖をまぶしたような三俣山が見えるよ」
と私が言うと、
「美味しそう、食べちゃいたい」
とアキさんが言った。

この記事についてブログを書く
« 2009年・極私的回顧 ……こうし... | トップ | 2010さぎんニューイヤーコン... »