一日の王

「背には嚢、手には杖。一日の王が出発する」尾崎喜八

「坂道のアポロン」展&三度目の映画鑑賞 …小松菜奈の豊かな表情に魅了される…

2018年04月14日 | 映画


4月4日(水)に「海抜0メートルから登る隠居岳」を終えた後、
佐世保の島瀬美術センターで開催されている「坂道のアポロン」展に行ってきた。




入口。


映画パネルがずらり。


いいね~


こちらは、原作本のコーナー。


原作者・小玉ユキのサイン色紙。


こちらは、東高の制服。


劇中では、(東高は架空の校名なので)実際の佐世保北高校の制服が使用され、
多くの北高の生徒がエキストラとして参加している。


文化祭のプログラムも……


こちらは、ムカエレコード店の地下室(練習用の防音室)を再現。


思い出されるな~


そして、実際に使用された衣裳も展示されていた。


左は、川渕千太郎(中川大志)、
右は、西見薫(知念侑李)の衣装。


こちらは、迎律子(小松菜奈)の衣装。


この衣装は、海水浴に行ったときに使われていたね。








小松菜奈のサイン色紙も展示されていた。


実物は初めて見た。
嬉しい。


これは、西見薫(知念侑李)が迎律子(小松菜奈)に、
「図書館で一緒に勉強しよう」
と、誘いの電話をしたときに使われた赤電話。


そして、こちらは、ムカエレコード店の電話で、
小松菜奈が受けた電話。




この他にも、映画で使用された様々なものが展示されていて、
楽しく見学することができた。




このあと、シネマボックス太陽に行き、
『坂道のアポロン』の3度目の映画鑑賞をした。(笑)

「何回も見て飽きないのか?」と思われるかもしれないが、
まったく飽きないから不思議。
むしろ、3度目の今回が一番感動したような気がする。
特に、
文化祭で、西見薫(知念侑李)と川渕千太郎(中川大志)がセッションするシーンでは、
涙があふれて止まらなかった。




このセッションを見ている迎律子(小松菜奈)の目にも涙があふれているが、


この撮影シーンのときのことを、小松菜奈は、次のように語っている。(パンフレットより)

クライマックスの文化祭のシーンでは、新鮮な気持ちで演奏を聴きたかったから、私は本番ギリギリまで極力演奏を聴かないようにしていたんです。実際、ピアノの音が流れて来てそこにドラムが乗っかっていくと、じわっと温かいものがこみ上げてきて。撮影も終わりの方だったのでこれまでのいろんなことを思い出して、自然と涙があふれてきました。


ちなみに、この映画で小松菜奈が流した涙は、すべて本物の涙で、


クランクアップのときには、小松菜奈だけではなく、全員が泣いていたとか。

私は「クランクアップです」って言われる前から、もう泣き始めてました(笑)。それは泣こうと思ってではなく、撮影中にいろいろ大変なこと悔しいこともあったけど、皆でそれを乗り越えてきたなっていう涙だったと思います。スタッフもキャストも本当に全員の仲が良くて、しゃべってない人が誰もいないみたいな組だったんです。撮影が終わりに近づくにつれ皆が「寂しい寂しい」って言い合うような現場ってあまりないと思うんですが、スタッフも私たち一人一人を愛してくれたんだなって。毎日が大切な宝物のような時間でしたし、また佐世保に行くことがあったら思い出すんだろうなと思います。いつまでも心に残り続ける撮影でした。(パンフレットより)

「また佐世保に行くことがあったら思い出すんだろうなと思います」
とは、嬉しい言葉だ。
映画を見ていて、小松菜奈の佐世保弁が不思議と馴染んでいて、
あまり違和感がなかったのだが、
調べてみると、九州に縁があることが判った。

小松菜奈はハーフに間違われることが多く、
よく「ハーフではないですか?」と訊かれるそうだが、
自身のブログで、
ハーフでもクオーターでもなく、純粋な日本人で、
「父親は佐賀県出身、母親は沖縄県出身」
と答えている。
彼女自身は東京出身だが、九州・沖縄の血が流れていたのだ。
もしかしたら、父親の実家に遊びに行ったことがあるのかもしれない。
父親の佐賀弁を聴いたこともあるだろうし、
佐賀弁と佐世保弁は近いので、
それほど苦労せずに佐世保弁が話せたのかもしれない。


番宣で、知念侑李と中川大志が、
「我々二人がセッションしたりしているときの、それを見守っている律ちゃん(小松菜奈)の表情がイイんだよね」
と言っていたので、
3度目の鑑賞では、小松菜奈の表情をずっと見ていたのだが、


本当に表情豊かで、知念侑李と中川大志が演技しているときも、
ただ見ているのではなく、いろいろな表情をしていて、
ひとつとして同じ表情がなかった。


これは、1度目の鑑賞では気づかなかったことで、
複数回見ての収穫だ。


小松菜奈はモデル出身なので、
モデル時代にいろんな表情をさせられたので、
それが役に立っていたのかも……とどこかで答えていたが、
先入観としてクールビューティなイメージがあったので、
この作品で完全にイメージが覆された。


公開から1ヶ月が過ぎ、
『坂道のアポロン』を見たい人はほとんどの人が見ていると思うので、
最後にちょっとネタバレするが、
この映画は、迎律子(小松菜奈)が歌い出そうとする瞬間でラストシーンを迎え、
最後の最後まで小松菜奈の歌声は聴くことができない。
このことに関しては、賛否両論あるだろうが、
『坂道のアポロン』に関しては、あの終わり方で良かったのではないかと思っている。

先日買った手嶌葵のベストアルバムを見ていたら、
その中に、アニメ『坂道のアポロン』挿入歌「バードランドの子守唄」があった。
「バードランドの子守唄」(Lullaby Of Birdland)は、
1950年代に作曲されたJAZZスタンダートの1曲で、
女性ヴォーカルの代表的な曲であるが、
これが実に好い。
アニメ版の第5話の、
薫が音信不通の母に会うために東京に向かうというエピソードの中で使われており、
(このエピソードは映画にはない)
薫が母へ思いを伝えるシーンに手嶌葵の美しい声が流れる。
ひとつのアイデアとして、
迎律子(小松菜奈)が歌い出そうとする瞬間でラストシーンを迎えた後、
この手嶌葵の歌声をエンドロールに流す手もあったのではないか……
(「バードランドの子守唄」ではなく、「My Favorite Things」でもかまわない)
もちろん、小松菜奈の歌声であれば、なおイイのだが……
小田和正の「坂道を上って」もすごく好い曲なので、
これはこれで良かったのではあるが、
迎律子(小松菜奈)が歌い出そうとする瞬間で映像が切れ、暗転し、
エンドロールが始まると同時に小松菜奈か手嶌葵の歌声が流れたら……
こんなことを夢想した3回目の映画鑑賞であった。

※当ブログの映画『坂道のアポロン』関連記事
映画『坂道のアポロン』……佐世保とジャズと青春、そして佐世保弁の小松菜奈……
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