一日の王

「背には嚢、手には杖。一日の王が出発する」尾崎喜八

シリーズ「麓から登ろう!」⑭八幡岳 ……「幡船の里」から多久駅へ……

2012年02月09日 | シリーズ「麓から登ろう!」
先日、山友から、質問メールが来た。
「車を使わずに、公共交通機関(電車やバス)だけを使って、八幡岳に登れないでしょうか? できればJRの多久駅や厳木駅からバスで登山口まで行きたいのですが……」
というものであった。
それに対し、私は、
「多久駅や厳木駅からは難しいと思います。相知駅から町内バスが出ているので、利用するとしたら、これでしょうね。相知駅前から乗り、蕨野棚田交流広場で降り、そこから八幡岳山頂をピストンするルートです。ただし、バスは、日曜日は運行されていないようですし、本数も限られているようなので、相知町に問い合わせするなりして、よく調べてお出かけ下さい」
と返信した。
そう返信はしたものの、その後、
〈JR多久駅からでも行けるのでは……〉
と、思い直した。
調べてみると、多久駅から、西多久線というバス路線があり、
これが、使えそうなのだ。
あまり知られていないが、西多久に八幡岳登山口がある。
多久市から武雄市に至る佐賀県道25号(多久若木線)の女山峠に登る手前あたりに、「八幡岳登山口」の道標があるのだ。
私は一度だけだが昨年の4月に登っている。
多久駅北口から西多久線(西回り)7:10発に乗ると、
登山口に近いバス停「山口」に7:32に着く。

そのこともふまえ、今回、
西多久の登山口から登って、八幡岳山を経て、JR多久駅まで歩くルートを考えた。


西多久には、多久市ふるさと情報館「幡船の里」がある。
平成13年に完成した施設で、
多久市の観光情報の提供や各種案内の他、
地元の新鮮な野菜や果物などを販売しており、
知る人ぞ知る「女山大根」もここで買うことができる。
紹介も兼ねて、出発地点をこの「幡船の里」に決める。


7:48
「幡船の里」を出発。


8:08
バス停「山口」を通過。


バスは便数が少ないので要注意。


8:11
ここから右折。
「八幡岳登山口」と書かれた大きな標識がある。


急坂を登って行く。


しばらく登ると、棚田が見えてきて、その向こうに八幡岳が見える。


猪鹿地区の棚田はほとんど知られていないが、こちらもなかなか……である。


この分岐を左へ。
道標があるので、間違うことはない。


振り返ると、棚田の向こうに、徳連岳が見える。


時折、陽が差し、舞い散る雪が輝く。


菜の花が雪に埋もれていた。


8:56
八幡岳峠に到着。
道標は、「八幡岳→」と右を指しているが、ここは左折。
左折した後、少し下る。




すると、九州自然歩道の案内板があるので、ここから右折する。


雪化粧した山が美しい。


10分ほど登ると、川内峠からの登山道にぶつかる。


吹き付けられたような雪を纏った倒木。
芸術だな~


杉の植林帯を抜けると、私の好きな道。


岩清水が流れている場所には、大きな氷柱ができていた。


野ウサギの足跡がカワイイ。


冬の「オオキツネノカミソリ群生地」は、幻想的な雰囲気。


10:02
八幡岳山頂に到着。
当然のことながら、誰もいない。
こんな日に登ってくるのは、私だけ。(笑)




ちょうど一年前、ここで霧氷を見た。
わずか標高764mの低山に霧氷ができるとは思ってもみなかった。
だからとても感激した。
今回もちょっとだけ期待していたけれど……


霧氷はできていなかった。
でも、美しい~


展望所の方にも行ってみた。




雪化粧した「蕨野の棚田」が素晴らしかった。


下りは、登山道を使わず、車道を下る。


雪の積もった車道歩きが大好き。
ルンルン気分で下って行く。


動物たちの足跡がいっぱい。
運動会でもしていたのかな?


10:54
池高原のキャンプ場に到着。
思い出いっぱいの場所。
ここで休憩。
ホットコーヒーとサンドイッチで軽めのランチ。


11:15
キャンプ場を出発。

池高原にはいくつもの池があるが、この池は凍っていた。


大きな池は、淵だけが凍っていた。
池から見る八幡岳。
山頂部はガスっているため、
乱立する電波塔が見えず、なかなか……だよね。


池を見ながら歩いて行く。


途中、「蕨野の棚田」展望所へ寄り道。
上部から見る棚田。


美し過ぎ~


道を引き返し、瀬戸木場方面へ。


12:20
瀬戸木場の分岐にさしかかる。
ここは右へ。


12:31
ここから左折。


「松浦佐用姫生誕の地」を経由して笹原峠の方へ下って行く。




12:47
「松浦佐用姫生誕の地」に到着。
しばし、佐用姫に思いを馳せる。
(佐用姫についてはコチラから)


まもなく国道203号線へ。


13:30
笹原峠に到着。




ここから多久駅目指して歩いて行く。


途中にバス停があるので、バスの時間に合えば利用してもイイだろう。
しかし、便数は少ない(1時間~2時間に1便程度)。


私は歩いて行く。


14:10
JR多久駅に到着。




約6時間の山旅であった。
麓から登って、麓へ下りる。
特別なことはしていないけれど、
たったそれだけのことで、いつもの山が違って見える。
雪の八幡岳……
頭のテッペンから足の爪先まで、
存分に味わい尽くしました~

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