小西真奈美を初めて見たのは(とは言っても、もちろんTVでなんだけれども……)、
2002年(平成14年)の4月から6月までフジテレビ系で放送された、火曜9時枠の連続ドラマ『整形美人。』においてであった。
その前にも、NHKの『ちゅらさん』や、日本テレビの『新・星の金貨』などにも出演していたらしいが、私は知らなかった。(というかドラマそのものを見ていない)
『整形美人。』は米倉涼子が主演で、椎名桔平や、お笑いの虻川美穂子(北陽)などが共演しており、なかなか面白いドラマであった。
米倉涼子の人気絶頂期のドラマで、当時まだ高校生だった私の娘たちと一緒に、米倉涼子を目的に見ていた。
このドラマの中で小西真奈美は、藤島流翠(椎名桔平)の妹・藤島一咲を演じていた。
早乙女保奈美(米倉涼子)に対してちょっと意地悪をするような感じの役であったし、嫌われ役的な部分もあったのだが、私はこの小西真奈美に次第に惹かれるようになった。
米倉涼子の派手な美しさより、小西真奈美のひかえめな美しさに魅力を感じるようになっていったのだ。
そして、ドラマの終盤には、完全に、小西真奈美に魅了されていた。
なにがそんなに私を惹きつけたのか?
最も印象的な部分は……やはり「目」である。
あの黒目だけのような目は、まるで少女漫画から抜け出てきたような感じがした。
あのような目をした女性を、私はこれまで見たことがなかったのだ。
同じ年の2002年10月、映画『阿弥陀堂だより』が公開され、そこに出ていた小西真奈美を見て、私の彼女の対する想いは決定的になった。
透明感のある美しさと、しっかりした演技力……
この作品で小西真奈美は、第48回『キネマ旬報賞』新人女優賞、第45回ブルーリボン賞新人賞、第26回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞した。
その後の活躍はもう誰もが知っての通りで、
ドラマでは、
『きらきら研修医』(2007年、TBS)
『小児救命』(2008年、テレビ朝日)
などで主演し、
映画でも、
『UDON』(2006年)
『天使の卵』(2006年)
『のんちゃんのり弁』(2009年)毎日映画コンクール女優主演賞受賞
などで私たちを存分に楽しませてくれている。
また、映画『Sweet Rain 死神の精度』の主題歌「Sunny Day」で、劇中の役名である藤木一恵名義でDefSTAR RECORDSから歌手デビュー。
2008年3月31日付オリコン週間シングルチャートで初登場10位を獲得している。
舞台においても活躍しているが、1997年に「北区つかこうへい劇団」に入団し、1999年には『蒲田行進曲』でヒロインを務めたという経歴からして、その実力は折り紙付きである。
その小西真奈美が出ている映画『行きずりの街』を見に行った。
小西真奈美が出ていなかったら、おそらく見に行かなかった作品である。
原作は、志水辰夫。
1992年「このミステリーがすごい!」第1位を獲得しており、評論家の北上次郎などから絶賛された作品。
当時、読んでみたけれど、私はそれほどの作品とは思わなかった。
なにしろ主人公の男が弱すぎた。
殴られてばかりなのだ。
それに、ミステリーとしての魅力も薄く、矛盾点も目に付き、正直これが本当に「このミス」第1位の作品なのかと疑ったほど。
今回、再読してみたけれど、感想は前回とまったく同じだった。
映画化された作品の主演は、仲村トオル。
どの作品を見ても一本調子で、何の役をしても「仲村トオル」という……私としてはあまり良い印象を持っていない男優なので、この点においても魅力に欠けていた。
本当に今回はただ小西真奈美を見に行った……というのが、本音である。
【ストーリー】
郷里の丹波篠山で塾講師をしている波多野(仲村トオル)は、祖母が危篤に陥りながら連絡の取れない元教え子・ゆかり(南沢奈央)の行方を追って、12年ぶりに東京へ足を踏み入れた。
かつての名門校・敬愛女学園の教師をしていた彼は、生徒の雅子(小西真奈美)との恋愛がスキャンダルとなり、教職を追われた過去をいまなお引きずっている。
ゆかりが暮らしていた麻布の高級マンションを訪れた波多野は、そこで何者かが物色した痕跡を発見。
失踪の背後に何か事件が関わっていると感じる。
しかも中込(窪塚洋介)ら怪しい男たちからも行方を追われるゆかりの身に、得体の知れない危険が迫っていた。
ゆかりが角田と出会ったという六本木のサパークラブで、自分を学園から追いやった張本人、敬愛女学園理事の池辺(石橋蓮司)と出くわした波多野。
12年前、彼は教え子だった雅子との結婚するもその後離婚し、逃げるように東京を後にしていた。
彼はよろよろと体を引きずりながら、雅子が切り盛りしているバーへ辿り着く。
長い歳月を経て再会を果たしたふたり。
一方、ゆかりの失踪に学園が関与していることを知り、彼はさらなる事件の渦中に巻き込まれていく――。
(パンフレット等から引用し構成)
映画は、原作とかなり違っていた。
欠点が補われている部分もあったが、より悪くなった部分もあり、脚本がイマイチという印象を受けた。
映像は美しかった。
特に、夜の東京……ゾクゾクするほど魅力的だった。
それに、小西真奈美の全てのカット。
どの場面も実に美しく撮れていた。
さすが阪本順治監督、男を撮らせたら向かうところ敵無しであったが、女性を撮らせてもピカイチであることを実証してみせてくれた。
小西真奈美。
演技も素晴らしかったが、やはりその美しさに魅入られてしまった。
スクリーンで見ると、やはりその美しさが際立つ。
彼女の美に酔いしれた2時間であった。
仲村トオル。
今回の作品が「芸能生活25周年記念作品」ということで、特別な思いで挑んでいたのであろう、気持ちの強さはよく伝わってきた。
本人もどこかで語っていた通り、セリフが終わったあとの余韻など、相手役の小西真奈美に助けられた部分が多々あり、なかなかの魅せる演技をしていたと思う。
窪塚洋介。
『ICHI』(2008年)
『まぼろしの邪馬台国』(2008)
『パンドラの匣』(2009年)
『東京島』(2010年)
など、このところ重要な脇役での活躍が目立つ。
この作品でも、インテリヤクザのような役を実に巧みに演じている。
力の入っている仲村トオルに対し、イイ意味で力の抜けている彼の演技は、これから益々輝きを増すような気がする。
この他、佐藤江梨子、石橋蓮司 、江波杏子などが、素晴らしい演技をしていた。
ハードボイルド的要素、ミステリー的要素は薄いが、大人の男と女の物語と割り切って見れば、なかなかの作品であった。
予告編はコチラから。
こうしてブログを書き終えようとしている今も……
……小西真奈美の黒い瞳が私をとらえて離さない。
2002年(平成14年)の4月から6月までフジテレビ系で放送された、火曜9時枠の連続ドラマ『整形美人。』においてであった。
その前にも、NHKの『ちゅらさん』や、日本テレビの『新・星の金貨』などにも出演していたらしいが、私は知らなかった。(というかドラマそのものを見ていない)
『整形美人。』は米倉涼子が主演で、椎名桔平や、お笑いの虻川美穂子(北陽)などが共演しており、なかなか面白いドラマであった。
米倉涼子の人気絶頂期のドラマで、当時まだ高校生だった私の娘たちと一緒に、米倉涼子を目的に見ていた。
このドラマの中で小西真奈美は、藤島流翠(椎名桔平)の妹・藤島一咲を演じていた。
早乙女保奈美(米倉涼子)に対してちょっと意地悪をするような感じの役であったし、嫌われ役的な部分もあったのだが、私はこの小西真奈美に次第に惹かれるようになった。
米倉涼子の派手な美しさより、小西真奈美のひかえめな美しさに魅力を感じるようになっていったのだ。
そして、ドラマの終盤には、完全に、小西真奈美に魅了されていた。
なにがそんなに私を惹きつけたのか?
最も印象的な部分は……やはり「目」である。
あの黒目だけのような目は、まるで少女漫画から抜け出てきたような感じがした。
あのような目をした女性を、私はこれまで見たことがなかったのだ。
同じ年の2002年10月、映画『阿弥陀堂だより』が公開され、そこに出ていた小西真奈美を見て、私の彼女の対する想いは決定的になった。
透明感のある美しさと、しっかりした演技力……
この作品で小西真奈美は、第48回『キネマ旬報賞』新人女優賞、第45回ブルーリボン賞新人賞、第26回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞した。
その後の活躍はもう誰もが知っての通りで、
ドラマでは、
『きらきら研修医』(2007年、TBS)
『小児救命』(2008年、テレビ朝日)
などで主演し、
映画でも、
『UDON』(2006年)
『天使の卵』(2006年)
『のんちゃんのり弁』(2009年)毎日映画コンクール女優主演賞受賞
などで私たちを存分に楽しませてくれている。
また、映画『Sweet Rain 死神の精度』の主題歌「Sunny Day」で、劇中の役名である藤木一恵名義でDefSTAR RECORDSから歌手デビュー。
2008年3月31日付オリコン週間シングルチャートで初登場10位を獲得している。
舞台においても活躍しているが、1997年に「北区つかこうへい劇団」に入団し、1999年には『蒲田行進曲』でヒロインを務めたという経歴からして、その実力は折り紙付きである。
その小西真奈美が出ている映画『行きずりの街』を見に行った。
小西真奈美が出ていなかったら、おそらく見に行かなかった作品である。
原作は、志水辰夫。
1992年「このミステリーがすごい!」第1位を獲得しており、評論家の北上次郎などから絶賛された作品。
当時、読んでみたけれど、私はそれほどの作品とは思わなかった。
なにしろ主人公の男が弱すぎた。
殴られてばかりなのだ。
それに、ミステリーとしての魅力も薄く、矛盾点も目に付き、正直これが本当に「このミス」第1位の作品なのかと疑ったほど。
今回、再読してみたけれど、感想は前回とまったく同じだった。
映画化された作品の主演は、仲村トオル。
どの作品を見ても一本調子で、何の役をしても「仲村トオル」という……私としてはあまり良い印象を持っていない男優なので、この点においても魅力に欠けていた。
本当に今回はただ小西真奈美を見に行った……というのが、本音である。
【ストーリー】
郷里の丹波篠山で塾講師をしている波多野(仲村トオル)は、祖母が危篤に陥りながら連絡の取れない元教え子・ゆかり(南沢奈央)の行方を追って、12年ぶりに東京へ足を踏み入れた。
かつての名門校・敬愛女学園の教師をしていた彼は、生徒の雅子(小西真奈美)との恋愛がスキャンダルとなり、教職を追われた過去をいまなお引きずっている。
ゆかりが暮らしていた麻布の高級マンションを訪れた波多野は、そこで何者かが物色した痕跡を発見。
失踪の背後に何か事件が関わっていると感じる。
しかも中込(窪塚洋介)ら怪しい男たちからも行方を追われるゆかりの身に、得体の知れない危険が迫っていた。
ゆかりが角田と出会ったという六本木のサパークラブで、自分を学園から追いやった張本人、敬愛女学園理事の池辺(石橋蓮司)と出くわした波多野。
12年前、彼は教え子だった雅子との結婚するもその後離婚し、逃げるように東京を後にしていた。
彼はよろよろと体を引きずりながら、雅子が切り盛りしているバーへ辿り着く。
長い歳月を経て再会を果たしたふたり。
一方、ゆかりの失踪に学園が関与していることを知り、彼はさらなる事件の渦中に巻き込まれていく――。
(パンフレット等から引用し構成)
映画は、原作とかなり違っていた。
欠点が補われている部分もあったが、より悪くなった部分もあり、脚本がイマイチという印象を受けた。
映像は美しかった。
特に、夜の東京……ゾクゾクするほど魅力的だった。
それに、小西真奈美の全てのカット。
どの場面も実に美しく撮れていた。
さすが阪本順治監督、男を撮らせたら向かうところ敵無しであったが、女性を撮らせてもピカイチであることを実証してみせてくれた。
小西真奈美。
演技も素晴らしかったが、やはりその美しさに魅入られてしまった。
スクリーンで見ると、やはりその美しさが際立つ。
彼女の美に酔いしれた2時間であった。
仲村トオル。
今回の作品が「芸能生活25周年記念作品」ということで、特別な思いで挑んでいたのであろう、気持ちの強さはよく伝わってきた。
本人もどこかで語っていた通り、セリフが終わったあとの余韻など、相手役の小西真奈美に助けられた部分が多々あり、なかなかの魅せる演技をしていたと思う。
窪塚洋介。
『ICHI』(2008年)
『まぼろしの邪馬台国』(2008)
『パンドラの匣』(2009年)
『東京島』(2010年)
など、このところ重要な脇役での活躍が目立つ。
この作品でも、インテリヤクザのような役を実に巧みに演じている。
力の入っている仲村トオルに対し、イイ意味で力の抜けている彼の演技は、これから益々輝きを増すような気がする。
この他、佐藤江梨子、石橋蓮司 、江波杏子などが、素晴らしい演技をしていた。
ハードボイルド的要素、ミステリー的要素は薄いが、大人の男と女の物語と割り切って見れば、なかなかの作品であった。
予告編はコチラから。
こうしてブログを書き終えようとしている今も……
……小西真奈美の黒い瞳が私をとらえて離さない。