一日の王

「背には嚢、手には杖。一日の王が出発する」尾崎喜八

作礼山 ……目に痛いほどの錦繍の森を経て、彩りに包まれた山上の池へ……

2010年11月11日 | 作礼山
今日は朝から雨が降っていた。
雨の日の登山を厭わない私だが、紅葉を見るにはやはり晴れた日の方が好い。
里山歩きとて、どんよりと暗い山より、明るく色彩に富んだ山の方が気持ちが好いに決まっている。
今日は登山を諦め、早朝より、山積している用事を片付けることにする。
〈今日のブログは、久しぶりにブックレビューでも書くことにするか……〉
と、ひとりごちながら家を出る。
帰宅したのは午後2時を回っていた。
すると、雲の間から日差しが……
「おお、山に行けるじゃん」
と、小躍りする。
この時刻から行ける山は、当然のことながら近くの山。
昨夜、地元のTVニュースで、作礼山の中腹にある「環境芸術の森」が紅葉真っ盛りとの情報を流していた。
なんでも、ここ数十年で一番の紅葉であると……
「環境芸術の森」には毎年行っているが、5年ほど前に鮮やかな紅葉を見た切り、ここ数年はイマイチの感があった。
今年は期待できそうだ。
まず「環境芸術の森」へ行って、その後、作礼山山頂直下にある池の周りを散策することにしよう。
この時期だと、池の周りの紅葉も見頃となっているに違いない。
急いで準備をし、車で出発する。
自宅を出て、20分ほどで「環境芸術の森」に到着する。
おお、素晴らしい紅葉だ。


目に痛いくらいの赤。


緑が赤を引き立てる。


幾重にも重なり合う色。


ずっとみていたい風景だ。


思わず目を細めてしまう。


今年の「環境芸術の森」は、やはりいつもの年とは違う。


豪華絢爛。


里山でこれだけの紅葉を見ることができるとは……


ああ、しあわせ……


紅葉の間から、これから行く作礼山の山頂が見えた。


「環境芸術の森」を後にし、作礼山へ向かう。

林道沿いの木々も色づいていて、車窓からも紅葉が楽しめる。


今日は時間がないので、9合目駐車場まで車で行き、そこから歩き出す。


紅葉のトンネルを抜けて行く。


作礼山も紅葉のピークを迎えているようだ。


作礼山の山頂付近には、みどり池、中ノ池、じゅんさい池の三つの池があり、それぞれの池の周囲は毎年紅葉に彩られる。
まずは、みどり池。
色彩の豊かさでは、この池が一番かもしれない。
ただ手前の木々が邪魔をして、その色彩を存分に楽しめないのがやや残念。
それでもこの鮮やかさ。


じゅんさい池の方に向かう。


ここでも目に痛いほどの赤。


振り返るとこんな感じ。


じゅんさい池の向こうにあるキャンプ場施設の周囲も紅葉真っ盛り。


中ノ池の周囲も色鮮やかだ。


くじゅう・大船山の御池ほどのスケールはないけれど、この作礼山の、彩りに包まれた山上の池も、なかなかだと思う。


この後、作礼山山頂で展望を楽しみ、帰路についた。


近くの山で、これだけの紅葉を楽しめるとは……
まれにみる幸運な男とは、私のことである。

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