一日の王

「背には嚢、手には杖。一日の王が出発する」尾崎喜八

由布岳(日向岳~東峰~西峰~飯盛ヶ城) ……極上の秋山へようこそ……

2010年11月07日 | その他・佐賀県外の山
11月の第一日曜日登山の行き先を考えていた時、
アキさんから、
「紅葉狩りを期待!」
とのメールが……
くじゅうなど、標高の高い山域はもうすでに紅葉は終わっている。
里山などの低山は、まだこれから……といった感じ。
さて、どこにするか?
その時、ふと、「由布岳」のことが思い浮かんだ。
〈あの自然観察路を通って日向岳へ向かうコースは、今が絶好の紅葉狩りの時期ではないだろうか……〉
くじゅう山群などの紅葉が終わった後に、知っている者だけが、密かに紅葉狩りを楽しむ場所……
それが、由布岳山麓の日向岳ルートだ。
だが、ただ日向岳を往復するだけでは面白くない。
今回の参加者は、
テツさん、K一郎さん、イチさん、ヒラさん、アキさん、タクの6名。
足に自信がある人ばかりなので、
日向岳から東峰に登り、
西峰を経て、
最後は飯盛ヶ城で締めくくるルートに決める。
日向岳から東峰へ直登するルートは、急登が続き、最後は岩場が立ちはだかり、ロープ場・クサリ場が連続するベテラン向きのルート。
だが、このメンバーなら心配ないだろう。

午前5時に唐津を出発。
テツさんの8人乗りの車に、今日は6人でゆったり。
夜明け前の高速を快適に飛ばす。

7:19
狭霧台に立ち寄り、湯布院の町を覆い尽くす朝霧を見る。
幻想的な風景に、しばし見入る。


7:25
駐車場に到着。
すぐに準備をし、軽くストレッチ。

7:45
由布岳正面登山口より出発。


山頂部は雲がかかっているが、まずまずのお天気。
雨さえ降らなければ御の字だ。


由布岳が近づいてくると、木々が色づいているのが分かる。
楽しみになってきた。


7:57
自然観察路への分岐に差しかかる。
大きな案内板があり、ここから右折。
大抵の登山者は、ここを真っ直ぐ合野越を目指して登って行く。
日向岳方面へ向かう登山者はほとんどいない。


いきなり紅葉のお出迎え。


くじゅうにしても雲仙にしても、ほとんどは外から眺める紅葉。
だが、この日向岳へ向かうルートは、紅葉の中を歩くことができる。


色彩の森へと、一歩、また一歩。


極上の秋がここにある。


森の中は、秋色のパレットをひろげたかのよう……
アキさんも、その中の一色に紛れ込んでいる。


森の中では、すべての命が身を焦がしていた。
それは、終焉を迎えるものの滅びの光ではない。



新しい命を生むための、一瞬の祝祭であった。


8:47
日向岳への分岐に到着。
ここから右折する。


森の中に、紅葉に囲まれた広場があった。
森の妖精たちの遊び場に違いない。


落ち葉がこんなに美しかったとは……


こんな風景を我々だけで独り占め。


なんという贅沢。


9:03
日向岳山頂に到着。
ここでしばし休憩。
秋を存分に楽しむ。


由布岳東峰に向けて出発。
カサコソ。カサコソ。
秋の声が聞こえてくるようだ。


9:22
東峰への分岐に到着。


東峰へ登り始める。
木漏れ日が、落ち葉の絨毯を美しく輝かせる。


彩りの森はやがて終わり、岩場が続く。
慎重にクリアしていく。



10:40
お鉢の縁に出る。
ここから東峰の方へ向かう。


10:52
由布岳東峰に到着。

(写真提供・テツさん)

マタエの方へ下りて行き、


西峰へ登り始める。
団体さんがいて、渋滞。


11:32
由布岳西峰に到着。

(写真提供・テツさん)

ガスっていて展望なし。
当初は西峰で昼食の予定だったが、団体さんがいたので、すぐに下山。

時折ガスが切れ、東峰が姿を現す。
素晴らしい山岳美。


11:52
マタエにて昼食。


12:29
マタエを出発。

しばらく下りると、美しい紅葉の森が見えてくる。


これから再び色彩の森の中へ入って行く。


写真撮りまくり。


足、動かず。


13:22
合野越に到着。


しばし休憩の後、飯盛ヶ城へ向かう。
13:30
飯盛ヶ城にとりつく。


高度が上がるにしたがって、美しい斜面が見えてきた。


13:37
飯盛ヶ城のピークを踏む。


来た道を戻る予定であったが、反対側にも道を発見。
そちらから下りて行くことにする。
これが、驚きのルートであった。
絶景紅葉満喫ルートだったのだ。


これほどの紅葉を眺めながら歩けるルートだったとは……
最後の最後に、由布岳は我々に大きなプレゼントを用意していてくれたのだ。
感謝!


日向岳をバックに、紅葉が映える。
もう言うことなし!


14:01
由布岳正面登山口に戻ってくる。

今日は、極上の秋山を存分に楽しむことができた。
大満足の山行であった。
湯布院の温泉で疲れを癒し、道の駅で買い物をして、帰路についた。
午後5時には自宅に帰ることができたのも嬉しかった。
健脚の皆さんに感謝しながら、
そしてあの素晴らしい紅葉を思い出しながら、
ビールをしたたか呑んだのは言うまでもない。
……私はまだ極上の秋山の中にいる。

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