一日の王

「背には嚢、手には杖。一日の王が出発する」尾崎喜八

八幡岳の秋をたずねて2021 ……リンドウやセンブリなどの花々を楽しむ……

2021年10月15日 | 八幡岳・女山(船山)・眉山


10月14日(木)

昔、
ネイチャー佐賀(自然観察指導員佐賀県連絡会)の主催する、
「八幡岳の春をたずねて」「八幡岳の秋をたずねて」という、
年に2回催される観察会に参加していた。
当時、この催しを担当されていたHさん夫妻や、
八幡岳の植物に詳しく、
『八幡岳・野の花たち =小さな生命の輝き=』(平成5年刊)
という本を自費出版されている藤井鶴久先生の説明が素晴らしく、


この観察会で、私は、八幡岳の草花について多くのことを学んだ。
藤井先生が体調を崩され、観察会に参加されなくなった頃から、
私の足も自然とこの催しから遠のいてしまったのだが、
山頂まで車道が通じているツマラナイ山と思っていた八幡岳を、
素晴らしい山という認識に変えさせてくれたこの観察会は、
今でも良き思い出として心に残っている。


春や秋に限らず、1年を通して訪れるようになった八幡岳は、
今では私にとってかけがえのない、
いつ訪れても私を優しくもてなしてくれる山になっている。
……ということで、本日は、単独での「八幡岳の秋をたずねて2021」を開催。

まずは、中腹にある大平展望所より、
“日本の棚田百選”のひとつ「蕨野の棚田」を眺める。
稲刈りも終わり、穏やかな風景が広がっている。


池高原から、八幡岳をパチリ。
素晴らしい天気。


森の中にも木漏れ陽が降り注ぐ。


森の中にはケヤキの木がたくさんある。


ケヤキの葉は美しく、




眺めていて飽きることがない。


この森にはジンジソウの群生地があるのだが、


もうほとんど花は散っていて、
わずかに残っていた花をパチリ。


蜘蛛の巣があると、なぜか撮りたくなる。(笑)


もうすぐ山頂。


八幡岳山頂に到着。




眺めは展望所の方がイイので、展望所へ移動する。


船山(女山)の向こうに天山が見える。


左に目を転じると、唐津の海が見えた。


雲仙や多良山系の山々を見ながら、散歩道へ。


キバナアキギリがまだ咲いていた。




シロバナアキギリもわずかに残っていた。


嬉しい。


ツワブキの花が増えてきた。


群生している。


センブリの花にも逢うことができた。


八幡岳のセンブリはなんだか小さい。


アキノキリンソウも咲いていた。


いいね~


コクランの株があった。
来年の7月頃にまた見に来ようと思った。


湿地に行ってみると、
ツリフネソウや、


ヤマハッカや、


ミゾソバが群生していた。


ミゾソバの花はよく見ると可愛い。


アキチョウジもたくさん咲いている。


私はアキチョウジの花の色が大好き。


湿った土を好むアケボノソウ。


終盤を迎えていたが、残っていた花をパチリ。


アキカラマツや、




オミナエシ、


オトコエシなどもまだ見ることができた。


陽当たりの良い場所へ出ると、
ノササゲの紫色の実が目に飛び込んできた。


足もとには、サイヨウシャジン。


そして、リンドウ。


逢えて嬉しい。


八幡岳のリンドウも、年々少なくなってきているような……




かつて草原だった場所が、人の手が入らなくなって藪化し、
草地の減少がリンドウの減少にもつながっているような気がする。


それでも、限られた場所で健気に咲いているリンドウ。


まだ蕾もあるので、しばらくは楽しめそうだ。


八幡岳には、公表できない貴重な草花も少なからずある。
これからも大事に護っていかなければと思う。
今日も「一日の王」になれました~


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