一日の王

「背には嚢、手には杖。一日の王が出発する」尾崎喜八

海抜0メートルから登る北アルプス「白馬岳」③朝日岳~白馬岳(頂上宿舎)

2012年07月24日 | 海抜0mから登る北アルプス「白馬岳」単独行
7月24日(火)
午前4時半起床。
5:00
朝食。
朝食後、準備をして外に出ると、ガスで周囲は何も見えず。


今日は展望なしの歩きになるかもしれない……と覚悟する。
展望が得られなくても、私には高山植物がある。
たくさんの高山植物を見ながらのトレッキングを楽しもう。
そう心を切り替え、
5:36
朝日小屋を出発。


5:42
水平道分岐通過。
本来は近道の水平道を行く筈であったが、
「登山道崩落のため、通行禁止」の立て札があり、
朝日岳山頂経由で、白馬岳に向かう。

ミヤマキスミレや、


ミヤマキンポウゲや、


ベニバナイチゴを横目に見ながら、朝日岳山頂を目指す。


濡れて透けた花びらが美しいサンカヨウが殊の外美しい。


6:34
朝日岳(2418.3m)山頂に到着。
ちょっとだけ休憩し、すぐに出発。


イワハゼや、


シナノキンバイの花を楽しみながら歩いて行く。


「おっ、ライチョウだ!」
6:53
ライチョウを発見。


ガスっているときはライチョウに出逢える……とはよく聞くが、
今回も逢うことができて嬉しい~
今朝ガスっていたのは、ライチョウに逢わせるための、山の神様の思し召しであったかもしれない。
雌のライチョウなので、ヒナ鳥がいるのでは……と思って周囲を見回すと、
「いた~」(保護色になっているので見づらいと思いますが、見えますか~)


全部で5羽のヒナ鳥を発見。
朝から、なんだか幸せな気持ちにして頂いた。
ありがとう!


ふと顔を上げると、ガスが消え去っている。
「おお~」
思わず声が出る。


ミヤマアキノキリンソウや、


私の大好きなキヌガサソウが、たくさん咲いている。


展望も素晴らしい!
歩いている登山者も少なく、素晴らしい道だ。


湿地帯などには木道が整備されていて、


脇にはミズバショウが咲いている。


しばらく歩くと、ウスユキソウや、


ミヤマアズマギクや、


シラネアオイにも逢うことができた。


振り返ると、赤男山の向こうに朝日岳が見えた。


私の大好きなハクサンイチゲもたくさん咲いている。


本当に夢の中を歩いているよう……


「おっ、コマクサだ~」


「高山植物の女王」と呼ばれるコマクサは、
この辺りからたくさん見られるようになった。


単独行の女性とすれ違う。
後ろ姿をパチリ。
カッコイイね~


タカネマツムシソウを発見。
天山のマツムシソウより背は低いけれど、花は大きい。


タカネシオガマも美しく咲いている。


10:13
雪倉岳(2610.9m)山頂に到着。




この山頂からの眺めが素晴らしいので、ここで昼食。


展望を楽しみながらのランチ(朝日小屋で作ってもらった弁当)は最高だった。


至福のひととき。


11:00
雪倉岳山頂を出発。

ふと、思い立って、記念写真。
あまりに花々と風景が素晴らしいので、自分の写真を撮るのを忘れていた。


ふと足許を見ると……
「もしかして、ツクモグサ?」
本州では、白馬岳と八ヶ岳にだけ咲くというツクモグサ。
花期は6月中旬から7月上旬までなので、今回はすっかり諦めていたのだが、
終わりかけとはいえ、ツクモグサに逢えるとは思ってもみなかった。
嬉しい~


しばらく歩くと、今度はウルップソウ。
この花の最盛期も6月下旬から7月上旬なので、
逢えて嬉しい~
感謝、感謝である。


白馬岳へと延びている縦走路。


こんな素晴らしい風景の中を歩ける幸せ。


11:31
雪倉岳避難小屋を通過。

長い雪渓を渡り終えると、


コマクサの花が待っていてくれた。


しばらく歩き、振り返る。
鉢ヶ岳(2563m)の向こうに、雪倉岳が見えた。




12:28
鉱山道分岐(2504m)通過

ここまで来れば慌てることはない。
ゆっくりゆっくり登って行く。


13:25
三国境を通過。

ミヤマコゴメグサ、


アオノツガザクラ、


ミヤマクワガタ(美しい~)、


ウルップソウなど、


お花畑を満喫しながら歩いていたら、


白馬岳山頂が見えてきた。


14:16
白馬岳(2932.2m)山頂に到着。




大きな一等三角点と登山靴を一緒に写し、
これで、海抜0メートルから登る北アルプス「白馬岳」達成!


山頂は人でイッパイなので、早々に退散。(笑)
14:21
白馬岳山頂を出発。

14:46
村営頂上宿舎に到着。


白馬山荘ではなく、村営頂上宿舎にしたのは、
空いていると思ったから。
その予想通り、大きな部屋に2名のみだった。(笑)
着替えて外に出て、テラスでビールを呑む。

頂上宿舎の周囲には、私の好きなミヤマオダマキがたくさん咲いていた。
美しい~


ベンチでは、山ガールたちが寛いでいた。
美しい~(コラコラ)


到着したときには、ややガスっていたのだが、
次第にガスが晴れて、杓子岳や鑓ヶ岳など、周囲の山々が見えだした。
美しい~


花々や、山ガールや、山の風景を楽しみながら、
私はいつまでもビールを呑んでいたのだった。(爆)

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