一日の王

「背には嚢、手には杖。一日の王が出発する」尾崎喜八

私自身のための第1回「一日の王」紅白歌合戦 ……対戦3組目「雲」対決……

2024年11月28日 | 私自身のための「一日の王」紅白歌合戦


私自身のための第1回「一日の王」紅白歌合戦の、
対戦3組目は、「雲」対決。(これまでの対戦はコチラから)

紅組は、黛ジュン「雲にのりたい」。


白組は、ヴィレッジ・シンガーズ「バラ色の雲」。



黛ジュンの歌声も好きだし、歌っている曲も好きなものが多く、
黛ジュンの(ベストアルバムの)CDも持っていて、時々聴いている。


「恋のハレルヤ」
「霧のかなたに」
「乙女の祈り」
「天使の誘惑」
「夕月」
「不思議な太陽」
「土曜の夜何かが起きる」

などのヒット曲の中から私が選んだのは、「雲にのりたい」
高校生から大学生のときに愛読していた高野悦子の『二十歳の原点』(1971年刊)の中に、


雲にのりたい
雲にのって遠くの知らない街にゆきたい
名も知らぬどこか遠くの小さな街に。
雲にのろう
雲にのって ゆれ動く青空わ、ながめよう
そこには小鳥のさえずりも深緑の木々のざわめきもないけれど
はてしない空虚な広がりがある。
雲にのろう
雲にのって ゆれ動く青空を ながめよう。


という、高野悦子自身が書いた詩があり、
その詩が強く印象に残っていたから。
これはあきらかに黛ジュンの「雲にのりたい」を受けた詩で、
『二十歳の原点』には他に、

〝寂しかったから口づけしたの〟じゅんちゃんはうたう

という詩の一節もあり、(これは黛ジュンの「不思議な太陽」の歌詞からの引用)
〈高野悦子は黛ジュンの曲が好きだったんだ~〉
と思った記憶がある。
そういうこともあって、「雲にのりたい」は私にとっては特別な曲なのだ。



対するは、ヴィレッジ・シンガーズ「バラ色の雲」。
作詞は橋本淳、作曲は筒美京平。
通算3枚目で、
メンバーとスタイルを一新し、新メンバーでの第1弾シングル。
ボーカル担当である清水道夫のムーディな声質を前面に押し出した楽曲で、
オリコン(非公式チャート)最高位2位、60万枚を売り上げるヒットとなった。
同時代に活躍したザ・タイガース、ザ・テンプターズ、オックスなどといった、
長髪でワイルドなイメージのGSと、彼らが異なる最大の理由として、
(ブルー・コメッツと同様)短髪のサラリーマン風、優等生的な容姿と、
中流的、あるいは上流的なイメージが挙げられる。


『思い出の指輪』(1968年)
『虹の中のレモン』(1968年)
『落葉とくちづけ』(1969年)

と、同名シングルが映画化され、
(私の好きな)尾崎奈々との共演したことも強く印象に残っている。(コチラを参照)



※黛ジュン「雲にのりたい」(1969年6月発売)。


※ヴィレッジ・シンガーズ「バラ色の雲」。(1967年8月発売)

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