一夜かぎり
1989年/スウェーデン
‘貴族的’な演出の是非について
総合
40点
ストーリー
0点
キャスト
0点
演出
0点
ビジュアル
0点
音楽
0点
1939年のイングリッド・バーグマン出演のスウェーデン映画である。移動動物園で働く主人公のヴァルデマールは貴族の私生児であることが分かり、父親と一緒に貴族として暮らすようになる。父親の期待に沿えるようにヴァルデマールは、父親が後見役をしていて一緒に暮らしているエヴァに気に入られるように努力するが、エヴァはあくまで庶民ではなく、貴族としてのヴァルデマールを求める。努力の甲斐あって、ある晩ようやくヴァルデマールはエヴァに認められて、婚約することになる。しかし同じ晩、父親に報告した後エヴァの部屋に一緒にいたヴァルデマールがエヴァの体を求めると、エヴァは彼を拒絶して、婚約も破棄となり、ヴァルデマールは屋敷を後にする。
エヴァが彼を拒絶した理由は、貴族的ではないということなのだが、貴族的な体の求め方というものが想像し難い。何かの儀式以外にありえないのではないのか? 貴族的にしないから‘萌える’と思うのだが貴族ではないからよく分からない。
問題は作品の内容だけではない。内容に引きずられるように映像表現自体も‘お高くとまっている’ような印象を受ける。きれいに纏まり過ぎていて、それぞれのキャラクターの気持ちがうまく伝わってこない。第6回ヴェネチア国際映画祭で芸術メダルを獲得したそうだが、バーグマンが出演していなければ観る価値はないと思う。