仏作家アラン・ロブ・グリエ氏死去(時事通信) - goo ニュース
残念なことに日本では知識人を除いてアラン・ロブ=グリエというフランスの作家
はほとんど知られておらず、映画監督としても熱烈な映画ファン以外知る人は
いないのではないのだろうか。原因として彼の作風が日本語に翻訳されてしまうと
文章の特異さが失われてしまうということにある。これは翻訳に問題があるのでは
なく、翻訳の限界である。例えば、『嫉妬』という代表作があるが、嫉妬はフランス語
で“Jalousie”であるが、これは主人公が妻を覗いている時に使われる“ブラインド”と
いう意味も持ち、この“併用”が主人公の嫉妬さの強調につながるのだが、翻訳では
この感じが伝わらないのである。だから私はロブ=グリエのような作風を持つ
日本人作家の出現を待ちわびているのである。