原題:『Machete Kills』
監督:ロバート・ロドリゲス
脚本:カイル・ウォード
撮影:ロバート・ロドリゲス
出演:ダニー・トレホ/ミシェル・ロドリゲス/ソフィア・ベルガラ/アンバー・ハード
2013年/アメリカ・ウクライナ・ロシア
予告編の面白さに釣られて本編を観るといつもがっかりする作品
『マチェーテ』(ロバート・ロドリゲス/イーサン・マニキス監督 2010年)については既に書いた通りで、本作にも前作と同様の問題があることが分かった。メル・ギブソンが演じた悪役のルター・ヴォズは予知能力を持ち、事前に敵の行動を予測することが出来るために負けたことがないのであるが、考えて行動しない主人公のマチェーテに対しては苦戦を強いられることになる。しかし実際のマチェーテの行動は十分に考え抜かれた上で行動しており、例え「B級映画」ではあっても最低限の設定を死守しなければ面白くならないと思うということを『マチェーテ』のレビューでも書いたのである。
さらに問題なのは上映時間で、この手の作品ならば90分でまとめるべきであるはずなのだが、108分もかかっており、その上、結末は『マチェーテ・キルズ・アゲイン・イン・スペース(Machete Kills Again... In Space)』に持ち越されているので、中身が薄味になってしまっている。
不思議なことに『マチェーテ』シリーズの醍醐味は本編よりも、本作の冒頭とラストで映されるような予告編にこそ見いだされ、その面白さが本編になると無くなってしまうのはどうにかならないものだろうか?
いずれにしてもチェ・ゲバラ(Che Guevara)の代わりのように革命軍のリーダーとなっているルースが「シェ(Shé=彼女?)」と呼ばれているギャグは評価しておきたい。