MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『ピンクとグレー』

2016-01-16 00:28:23 | goo映画レビュー

原題:『ピンクとグレー』
監督:行定勲
脚本:行定勲/蓬莱竜太
撮影:今井孝博
出演:中島裕翔/菅田将暉/夏帆/岸井ゆきの/千葉哲也/柳楽優弥
2016年/日本

他人の気持ちが分からない「仕組み」について

 ネタバレ無しで論じることが非常に難しい作品であるが、ラストシーンを無視してレビューを書いても面白いものにはならないであろうからそのつもりで以下書いてみようと思う。
 自殺したはずの、柳楽優弥が演じる白木蓮吾が中島裕翔が演じる河田大貴の目の前に現れ、自分が自殺した原因は、彼の姉である鈴木唯が2008年1月24日に開催されたコンテンポラリーダンスのコンクールで「ファレノプシス(Phalaenopsis 胡蝶蘭)」というオリジナル作品を演じ、クライマックスで花びらが散るように高所から落ちて亡くなった原因が事故ではなく、「やりたいことをやるのではなく、出来ることを精一杯やる」という信念のもとに実行された自殺だったことを見習い、自分も姉に倣って自殺したのだと告白する。いくら親友であっても分かり合えないということが本作のテーマなのか、あるいは、不本意ながら売れてしまった自分のことよりも、本当に売れたいと思っている河田大貴のために自殺したのかはっきりとは分からないという意味で、親友だからこそ分かり合えないということが本作のテーマなのか、と書くとこのレビューでさえ本作を模倣するようなものになってしまう「仕組み」が面白い。
 それにしても『海街diary』(是枝裕和監督 2015年)では分からなかったが、サリーを演じた夏帆の女優としての力量が存分に発揮されている。
 りばちゃんとごっちが高校時代に組んでいたバンドはくるりやフジファブリックのコピーをしていたはずだが、エンディングテーマがASIAN KUNG-FU GENERATIONの「Right Now」だったことにはさすがに驚いた。


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