MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『フランス組曲』

2016-01-18 00:11:52 | goo映画レビュー

原題:『Suite Française』
監督:ソウル・ディブ
脚本:ソウル・ディブ/マット・チャーマン
撮影:エドゥアルド・グラウ
出演:ミシェル・ウィリアムズ/クリスティン・スコット・トーマス/マティアス・スーナールツ
2015年/イギリス・フランス・ベルギー

フランスで起きた「組曲」の悪循環について

 主人公のリュシル・アンジェリエと、独仏休戦協定が締結され彼女が住む屋敷に滞在することになったドイツ軍中尉のブルーノ・フォン・ファルクの禁断の恋愛は、当初は密かに進行していたが、モンモール子爵夫人が、夜中に鶏小屋から鶏を盗んでいたブノワ・ラバリに銃口を向けられたという小さな嘘を夫にしたことから大事になり、モンモール子爵がそのことをドイツ駐留軍に告げ口すると、ラバリの捜索が始まり、彼の自宅を捜査中に機転を利かせたクルト・ボネ中尉が待ち伏せしていたがラバリに返り討ちのようにして銃殺されてしまい、町の住人を無作為に5人殺す代わりにモンモール子爵1人が犠牲になることを強いられ、「フランス組曲(Suite Française)」は完全に悪循環に陥る。
 ラバリを匿っていたのはリュシルなのであるが、アンジェリエ夫人にはようやく認められたものの彼女の不貞の誹りが無くなる気配はなく、それでもリュシルは彼の仲間のいるパリにラバリを連れていこうとブルーノに車の通行許可証を申請する。全てを察していたであろうブルーノは異動の前の最後の彼女の頼みを汲んで部下に通行許可証を発行させるが、気を利かし過ぎた部下はその通行許可証にタバコの臭いの件を書き加えており、そのことを聞いたブルーノがバイクで到着した時には、検問で車を調べようとしたドイツ兵たちをラバリとリュシルが射殺した後だった。
 近年出色のできばえのメロドラマであることは間違いないのであるが、一つ疑問として浮かぶのは登場人物が使用している言語である。フランスを舞台にしていながら、交わされる言葉が英語とドイツ語というのはどうなのだろう。もちろん日本人にとってはそれほど違和感がないのであるが、監督や俳優など制作している側、あるいはヨーロッパの観客には違和感がないのだろうか?


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする