MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『本心』

2024-11-14 01:59:45 | goo映画レビュー

原題:『本心』
監督:石井裕也
脚本:石井裕也
撮影:浜田毅
出演:池松壮亮/三吉彩花/妻夫木聡/綾野剛/田中泯/水上恒司/仲野太賀/田中裕子
2024年/日本

「本心」は存在するのか?

 主人公で溶接工の石川朔也は工場に勤めており、母親の秋子と暮していたのだが、帰宅途中で豪雨で氾濫する川沿いに立っていた母を助けようとするものの橋から落ちて昏睡状態に陥り、目覚めたのはおそらく1年後の2027年である。
 母親は当然亡くなっていたのであるが、母親が「自由死」という制度を利用した自殺だと聞かされた朔也は母親の本心を確かめるために「VF(バーチャル・フィギュア)」を使って母親を甦らせようと試みる。同じ頃、母親の親友だったという三好彩花という女性が台風の被害に遭って行き場がないことを知った朔也は、自分の知らない母親の情報を得るという目的もあったために母親の部屋に住むことを提案する。三好彩花が高校の時に好きだった同級生の女子高生に似ていたこともあった。朔也はその女子高生が売春をしていたことをからかった教師を殴って暴力事件を起こしたことがあったのだが、三好彩花も娼婦をしていたのである。
 ところが事態は相手に感情移入しやすい「リアルアバター」という仕事を始めた朔也の思う方向には行かない。秋子は実は同性愛者で、朔也が幼少の頃に父親が亡くなったと聞かされていたのは嘘で、朔也は精子の提供で産まれたと聞きたくもない話を知ってしまし、富豪のイフィーにはコインランドリーの事件をきっかけに認められて高額のギャラを手にできるようになるのだが、イフィーが彩花のことを気に入って奪われてしまい、その上、肝心の母親が亡くなった原因は、可愛がっていた黒猫を秋子が探している内に川沿いに来てしまい溺死したことは朔也には分からないのである。
 つまり本作は相手の本心はいつも掴み損ねるのであり、さらに言うならば自分の本心さえよく分からないということが語られるのであるが、それはそうだよねとしか言いようがない話である。しかし「リアルアバター」に関して言うならば2024年時点で既に関東周辺で強盗事件を起こしている。


gooニュース
https://news.goo.ne.jp/article/moviewalker/entertainment/moviewalker-1226877.html?_gl=1*11vkjja*_ga*MTEzMzY0MzIzMy4xNzI1NTM0NDIy*_ga_XJ5END643J*MTczMTUwOTUzMy4yMTcuMS4xNzMxNTExNDYwLjMwLjAuMA..


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