(2020年6月24日付毎日新聞夕刊)
全国の公立美術館約150館が加盟する美術館連絡協議会(美連協)と読売新聞のプロジェクトだったのだが、事実上の中止になった。
このプロジェクトの問題は第一に美術館に携わっているキュレーターに世界レベルの作品を扱っているという矜恃がなかったことで、第二にはアイドルに詳しくない人がとっくに旬を過ぎたAKB48の「チーム8」を売り出そうという邪心があったことだと思う(個人的には小栗有衣は嫌いではないけれど)。
例えば、ハロプロの「アンジュルム」の元メンバーだった和田彩花は大学院で美術の勉強をしているし、乃木坂46の元メンバーの若月佑美は何度も「二科展」で入選しており、欅坂46のメンバーである佐藤詩織は武蔵野美術大学を卒業してコロナ禍で叶わなかったが美術を勉強しに留学しようとしていたくらいで、要するに美術を語れるアイドルがいないわけではないのである。
どこの広告代理店が企んだプロジェクトかは分からないが、美術にもアイドルにも無知な人たちが企画したとしか思えないのだが、このプロジェクトに関わった人たちは本当に「美」に興味があるのだろうか?
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