あさりはこれから4月いっぱいまでは美味しい。暖かくなると中にカニが入るので今が一番かも。スーパーの養殖あさりと違って地物は旨味が強い。
あさりは真水に30分つけて塩抜きし、よく洗う。鍋に名水を張り、だし昆布とあさりを入れて火にかける。あくは昆布の粘りに吸収され、取りやすい。ここで昆布を引き上げる。殻が開き始めたら、火を止めて、いったんあさりを取り出す。
だし汁に府中味噌(白)とどうでもいいような安物の中味噌を溶かして、味をきめる。椀にあさりを盛り付けて、汁を張って出来上がり。

料理屋で貝汁をたのんで、あれこれ講釈をたれている下腹の出たオヤジをよく見かけるが、「そんなもん、女房に作ってもらえよな」と私は思う。そもそも家庭料理に過ぎないのだ。私は仕上がりに滅法にうるさいので、自分で作ることにしている。職人がつくる汁よりは味がいい(笑)。
