岡山市古京町出身の内田百(本名:内田栄造)のエッセイが好きで学生時代にはよく読んだ。彼の作品は頭に入るようで実は入らないのが魅力なのである。内田は旧制の岡山中学から六高を経て東京帝大に進む。憧れの夏目漱石の弟子となり彼の家に出入りすることで数々のネタを得た。
本作に収録された「漱石先生の来訪」は傑作の一つだ。内田は漱石に頼んで書いてもらったものを自宅に大切に飾っていたが、ある時師匠が不意に訪ねて来た。そして自分の書の不味さが気になり始めて書き直すから破かせろと言い出して内田を困らせる。ついにしぶしぶ承諾するが、当分の間師匠には腹が立って仕方がなかったという話である。
久々に偏屈な二人のやり取りをユーモラスに描いた作品に目を通して案の定ふき出してしまった。私は昔からこの繰り返しである。
本作に収録された「漱石先生の来訪」は傑作の一つだ。内田は漱石に頼んで書いてもらったものを自宅に大切に飾っていたが、ある時師匠が不意に訪ねて来た。そして自分の書の不味さが気になり始めて書き直すから破かせろと言い出して内田を困らせる。ついにしぶしぶ承諾するが、当分の間師匠には腹が立って仕方がなかったという話である。
久々に偏屈な二人のやり取りをユーモラスに描いた作品に目を通して案の定ふき出してしまった。私は昔からこの繰り返しである。