しばらく、山関係の本が多かったので違うものが読んでみたくなった。
その中で選んだのが、「海賊とよばれた男」だ。
出光興産の創業者をモデルに書かれたもので、戦後の日本復興に尽力した
日本人を描き切っている。
企業のトップを描いた作品はいくつか読んだことがある。たとえば、
ソニーや、アイアコッカなどだが、この作品は実名では出ていないし、
企業名も架空だ。
それだけに、小説としての面白さが際立っているのだが、リアリティーも
高く、戦中、戦後の混乱期、悲惨さも描かれている。
それにしても、この創業者の信念には驚く。人を信じて、タイムカードも
出勤簿もない。苦しくても首を切ることもない。株の上場もない。こんな
会社があるのだと驚いた。
戦後、国際石油カルテルに支配されることなく、イランにタンカーを送ったり、
国民のため、生産調整を拒否したり、これでもかというほどの面白さだった。
こういった日本人がいたことに誇りを感じる。
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