ミステリーな森の生活

洋書ミステリー、英語学習、洋画レビューなどから始めましたが、今は、種々雑多(山岳小説、落語など)です。

天使の傷痕(西村京太郎)

2012年07月07日 | 国内ミステリー

江戸川乱歩賞の受賞作の3作目に選んだのは、西村京太郎の「天使の傷痕」だ。

この作品を選んだのは、もともと、西村京太郎の作品が好きだったからだ。
文章が、読みやすく、すっと頭に入ってくる。自然なのだ。

しかし、途絶えていた。理由は、テレビドラマ用の鉄道路線の名前のついたような
トラベルミステリーを敬遠していたためだ。

この作品の題名も、原題は、「事件の核心」だったというから、改題して良かったと思う。

この作品は、地味なのだが、自然と引き込まれていく。事件のとっかかりも、
主人公のデート中に殺人事件にまきこまれるという平凡なものだ。

一見、主人公の個人的な世界の中での事件のように思われるが、実は、
サリドマイドという社会派的な主題も潜んでいる。

何とも、重苦しい結末のように思えるせつな、母親の一人が、「あの子の写真を
撮ってください。」と訴えるのが救いか、そして、最後のエピローグに導かれる。

 

にほんブログ村 本ブログ 洋書へ
応援よろしくお願いします

 


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« BEFORE I GO TO SLEEP(S J WA... | トップ | 猿丸幻視行(井沢元彦) »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

国内ミステリー」カテゴリの最新記事