重さを増やし慣性力を高めるとスリップして運動エネルギーをロスしてしまい、その反省で内側を刳り抜き軽くしたのが結果を出した。見た目も芸術的で匠の巧みな集大成に見える。一方で凹んで沈んだ悔しさもあって「これで完了」としたプロジェクトも燻っていたのだった。
アインシュタインや岡本太郎も「かくありや」と思える「ビビビ!」が降臨したのは深夜のトイレの後だった。「手間をかけずに簡便に」が達成されないままなので拘る事でもないことは理解できても影が背中を突っつく。その結果「軽い材を使えば良い」のだとようやく解に至った気分で、この案こそ「買い」であろうと確信できたのだ。
そこで思い至ったのは過日、マリオネットの胴体に使用した桐板の残りを引っ張り出したのだが厚さが20ミリと薄い。やむなく2枚合わせの圧着で厚みを確保したけれど、今度はこの厚みから円柱の外径が決まってしまった。接着して作れた円柱は二体、芯穴を開け芯金に通して外周を削る。切削は容易でも古材なので木目によってはささくれや小さなむしれが発生し肌がきれいにならない部分も出てきた。
それには目をつぶり半割にしクランプを使い接着、接着が安定するのももどかしく転がしてみたら2体ともうまく転がってくれるではないか。それに気を良くし軽いのが判り拠点の道具小屋で乾燥させていたヤナギの倒木。見た目も軽さも桐と見間違う材質だった。これで幾つか量産した。
桐材と柳材の重さは約70gでヒノキ材140gの半分になった。ヒノキ材も円筒仕立てで重さを減らしたらほぼ90g、100gていどの重さならOKと言う事だろう。
これでようやくヘキサ・スフェリコンの開眼供養が出来たというものだったのだが、これで終わらないのが小生の業である。「転がるように作るには軽くする」のが良いのはオロイドやスフェリコンで実証済みの結論なのだが「実用性だけではつまらん」と背中をまた突っつかれたのだった。
「銘木や木目の美しさをだした一品」が脳裏にチラついている。この二重螺旋のリングワンデリングとも言える状況は何時もの事なのだ。古材だが秋田杉の端材がある。これで作ってみる事にした。結果は古材過ぎて変色していたし木目だけしか魅力はない一品になってしまった。どちらのタイプも古色蒼然が良いと言えば良いか、負け惜しみ・・・。
この作品を削り出す過程で陥りやすい事が明らかになった。製図して外径と幅の寸法を決定し削りだす時に間違う。一体に二つの外形寸法がありこれを混同して失敗してしまった。まず基準となる円の直径とその円に内接する正六角形から採寸する円柱の直径と高さ(幅)があって、この二つの直径を見誤り易いのだった。今回も円筒に仕立てた一体を「幅が広すぎた」と誤認して寸法を詰めてしまい、あえなく廃棄の憂き目。円柱体なら幅が不足したら直径を減ずれば良いが、円筒形では無理である。細心の注意を払い加工した逸材をみすみすゴミ袋に投げ込む羽目になる。ヘキサ・スフェリコンの製作での失敗はほとんどが幅の勘違いだった。
次に作るかどうかわからないのに直径と幅の一覧表を作ってもなあと少ない頭髪がまた抜けていく。古材の表面が切削により荒れるのに等しい。ハア・・・。切れない刃先が脱落の一因でもあるが切れない頭脳が抜け毛の一因であることは間違いない!。
左、桐板接着材・右、ヤナギ材
秋田杉の古材、円筒基盤タイプとムクタイプ
アインシュタインや岡本太郎も「かくありや」と思える「ビビビ!」が降臨したのは深夜のトイレの後だった。「手間をかけずに簡便に」が達成されないままなので拘る事でもないことは理解できても影が背中を突っつく。その結果「軽い材を使えば良い」のだとようやく解に至った気分で、この案こそ「買い」であろうと確信できたのだ。
そこで思い至ったのは過日、マリオネットの胴体に使用した桐板の残りを引っ張り出したのだが厚さが20ミリと薄い。やむなく2枚合わせの圧着で厚みを確保したけれど、今度はこの厚みから円柱の外径が決まってしまった。接着して作れた円柱は二体、芯穴を開け芯金に通して外周を削る。切削は容易でも古材なので木目によってはささくれや小さなむしれが発生し肌がきれいにならない部分も出てきた。
それには目をつぶり半割にしクランプを使い接着、接着が安定するのももどかしく転がしてみたら2体ともうまく転がってくれるではないか。それに気を良くし軽いのが判り拠点の道具小屋で乾燥させていたヤナギの倒木。見た目も軽さも桐と見間違う材質だった。これで幾つか量産した。
桐材と柳材の重さは約70gでヒノキ材140gの半分になった。ヒノキ材も円筒仕立てで重さを減らしたらほぼ90g、100gていどの重さならOKと言う事だろう。
これでようやくヘキサ・スフェリコンの開眼供養が出来たというものだったのだが、これで終わらないのが小生の業である。「転がるように作るには軽くする」のが良いのはオロイドやスフェリコンで実証済みの結論なのだが「実用性だけではつまらん」と背中をまた突っつかれたのだった。
「銘木や木目の美しさをだした一品」が脳裏にチラついている。この二重螺旋のリングワンデリングとも言える状況は何時もの事なのだ。古材だが秋田杉の端材がある。これで作ってみる事にした。結果は古材過ぎて変色していたし木目だけしか魅力はない一品になってしまった。どちらのタイプも古色蒼然が良いと言えば良いか、負け惜しみ・・・。
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次に作るかどうかわからないのに直径と幅の一覧表を作ってもなあと少ない頭髪がまた抜けていく。古材の表面が切削により荒れるのに等しい。ハア・・・。切れない刃先が脱落の一因でもあるが切れない頭脳が抜け毛の一因であることは間違いない!。
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