
乾燥材が無くて林内に集積しておいたヤナギの風倒木は腐朽が進んで材としては使えなかった。残るは林接池に浮かべておいた丸太だけなのだが、これとて中心に孔があるし径としてもギリギリの大きさだった。しかし他に材は無く引き上げて端をチェーンソーで切断し材質を確かめると何とか利用できそうな状態だ。とりあえず一体作れば気が済むだろうから材を切断した。
前回はモデルがあった訳でもないけれど、おどろおどろしい風貌にしたくて乱杭歯にしたのだが、二作目という事もあり歯の大きいティラノサウルス風に作る事にした。図書館で歯の大きさと数を調べたけれど上下それぞれ26本前後を並べると1作目と変わり映えのしない歯数になって見た目も変わらないだろう。結局は歯数を減らして強調する事にした。玩具だから強調も必要だし省略も必要で、要は塩梅やバランスにセンスが問われる。
魚沼の豪雪地、生まれで育ちの小生としてはハイカラさは微塵も無く、スーツを着て上司の前に立てば「似合わないねぇ!」と言われていたおいらはバランスやセンスがある訳もない。退職の時に部下から送られた扇子は今だ箱の中だし・・・。
さて外観としては大きな相違は無いけれど頭骨に開いた穴が異なる。目の上の張り出しを大きくしたかったけれど材が小さく、横幅を外径いっぱいに採っても頭頂部は半円の上部なので不満が残った。その部分だけ材を接着し余裕を取ろうかと思ったものの、水に浸かっていた材なので乾燥しなければ具合が悪いし、結局はそのままの材を使う。
大雑把に型取りした材は電子レンジ100Wで乾燥させる事にした。何回加熱すればOKとなるか予測は出来ないので、温まったら冷やし、温まったら冷やしを繰り返しつつ頭部と下顎を加工していない方を電子レンジで乾燥させていく。
今回の工程変更は「概観を作ったら蝶番部を切り出してピンを入れつつ加工調整するつもりだったものの、材に余裕が無くて、これも前回同様に最後になってしまった。蝶番部の重なる部分を作り出すのに材の寸法がギリギリで苦労中だ。重なる部分を十分に採れば頭骨と下顎の厚さが取れない。どっかで妥協しなければならないのだが、はてさて思案投げ首肩こり腰痛腕痛掌痛等々、現世は痛みに溢れているが滔々怒涛と阿呆馬鹿出臍とののしり合うあっちやこっちよりも、まあいいか。
小生は冬の正座を決め込もう。耐えて削れば出来上がる。


