トロルお爺の”Satoyaman”林住記

生物生産緑地にて里山栗栄太が記す尻まくりワールド戯作帳

**「慢様集」頃那新参衛門、罷り通る…

2020-11-12 | 温故痴新
世間は 数なきものか 錦秋に 積もるがごとく グラフ高みへ
             世間は 数なきものか 春は名の 散りのまがいに 死ぬべき思へば    大伴家持

外行くと 袖に取りつき 子ら泣けど ステイホームの 職無しの日々
             韓衣 裾に取り付き 泣く子らを 置きて来ぬや 母無しにして      防人

朝床で 聴けば遥けき ジョウビタキ 朝寝しかなし コロナ失職
             朝床に 聞けば遥けし 射水川 朝漕ぎしつつ 唄う舟人         大伴家持

秋過ぎて 山目覚めれば 白妙の 衣着た人 眠る暇もなし
             春過ぎて 夏来るらし 白たへの 衣干したり 天の香久山        持統天皇

ま葛這う 夏野のごとし コロナ禍に まことこの世は 常ならめやも
             ま葛延う 夏野の繁く かく恋は まこと我が命 常ならめやも      10・1985

ひぐらしは コロナのせいと 知りつつも 手弱女母子は 泣くすべもなし
             ひぐらしは 時と鳴けども 恋しくに 手弱女我は 定まらず泣く     10・1982

ひととせも いまだ経なくに 昨今は 行くべき場所も 振る袖も無し
             年月も いまだ経なくに 明日香川 瀬々ゆ渡しし 石橋もなし      7・1126

我が恋は 失せし事多々 コロナ花は いつ萎むやら 病む時続く
             咲く花は 過ぐる時あれど 我が恋ふる 心のうちは 止む時もなし    11・2785