トロルお爺の”Satoyaman”林住記

生物生産緑地にて里山栗栄太が記す尻まくりワールド戯作帳

水辺の憂き目、おいらの涙目、弱り目、祟り目

2020-11-16 | 小人閑居して憮然
 古今和歌集(雑)に「水辺の憂き目、見えぬ山ぢへ入らむには…」とあるとかないとか。ホント見たくない。けれど乱視でも老眼でも鮮明にかつ日々新鮮になって見えてくるのだった。見たくないなら苫屋で蟄居しなければならない。そうなった暁には「呆状記」でも著してみよう。
 さて、こんな事態はもう今までの最高!、最上級の評価を下すしかない荒らされようだ。それも軟弱で致命的な部分だけを破壊し続けるのだ。最近はとみに破壊の様相が激しく、補修して数日もしなくても破壊される事態が続く。補修しなければ水域は全壊、トンボもカエルも繁殖は望めない事になるだけに血圧が上がろうとも落胆で意気消沈しようとも手を出さざるを得ない自転車操業、あるいは三途の河原の石積みに等しい日々になってしまった。まっ、自転車操業や三途の河原の石積み状態は変わってはおらなんだけれども。
 そう、「跋扈蹂躙は永遠に不滅です!」。全頭駆除しか解決方法はないが行政が手を打たない以上、個人の手には負えない。

 棚田部の温水田との間の畔は今期補修は2回しているが、既に越流寸前まで崩された。

 二つ池の仕切り部、エコトーンとして設えてある部分は植生もろとも天地返しされてしまった。

   つい数日前に護岸補修をした二つ池、護岸木の整復した盛り土は掘り返され、あるいは腹ばいでヌタ場同様の扱いをしてくれた。まあ、完膚なきまでにやってくれるわい。山荒師や環境破壊教育御一行様が来なくても威之志士様の跋扈蹂躙、罷り通る・・・。あーあ、世に跋扈蹂躙の種は尽きまじ。溢れる悔し涙で鼻水を舐めるから飲料水は必要ないわい。
 「猪が居たんじゃ休みもとれぬ 分っているんだ思うとも… 奮闘努力の甲斐もなく、今日も涙の今日も涙の 陽が落ちる」寅さんの気持ち、良ーく分かるわい。

 小生が少年の頃、農業誌には害獣駆除用のグッズが載っていて、今でも記憶しているのは「膠リングで閉じたスプリング」である。これを芋などに押し込んで食べさせると腸内で膠が解けスプリングが広がる仕掛けなのだ。これが消化器官の内壁に刺さって駆除に繋がるという物だった。効果があったのかどうか知るところでは無いけれど、販売していれば高いお芋様を食べずに食べさせてやろうという気にはなる。まあ、動物愛護の精神に反するなんて世間の抗議かまびすしくなるのは間違いないか。砂防ダムに落ちた威之志士様に餌を供給し逃がしてやるご時世では言うべき言葉が無い。
 以前にも書いた記憶があるが、橋の下で駆除した猪を解体していた時、ご婦人の御一行様から「子どもの教育に悪い!」とすごい剣幕で抗議をしていた場面に出くわした事があった。千載一隅の実地教育の機会ではないか、ホント何を考えているのやら幸せな人たちではある。