
準備万端、エンジンポンプを積載して水源地至近まで乗り入れる。手順は簡単で、ポンプで吸い上げた水を送水管内に送り込むだけの作業だ。とはいってもポンプからのチューブは角々で折れ曲がってしまうので抵抗になる。管内に挿入した部分も圧注圧に負け抜け出してくるから場所を離れる訳にもいかないし、エンジン出力を上げ効果的に済ませられる訳にもいかない。およそ40分の圧注を行い、隣沢に居るはずだろうY氏に電話をしたら吐水口の様子を見に行ってくれた。「十分な量が出ている」との報告があったので、このラインは終了した。
ついでにと言っては何なんだが、部農会のラインにも圧注してみた。これで通水すればオーバーフローでの寄生は解消され余り水で常時排砂が行われる事になる。フイルター上部に砂が溜まらなければ集水升が埋まるのを遅らせられる。
結果は意外だった。吸水口から2m程度のところで水が噴出してきたのである。これは土砂圧で管が損傷している事を意味する。それ以上注水しても無意味なので集水路の水抜け防止に堤を厚くして終了した。
帰路、部農会のS氏がラインの保守に来ていたのに出くわしたので結果を伝える。寄生取水している部農会のラインも断水しているのだと言う。まあ、水抜けで取水升まで水が流れなかったから当たり前なのだが、一端断水すると管内の土砂が固着するから復旧は手間がかかる。
さて、強制排砂の結果は吐水量で判断できる。今回の吐水量は毎分28リットルだった。新年早々実施した時の吐水量は毎分24リットルだったので、おそらく過去最大の吐水量となった。たかだか毎分4リットル増では焼酎ボトル1本分と思われるけれど、これしか水源のない泥水地やトンボ池にとっては命の水が増えたと言える。昔「母こそは命の泉」なんて歌曲を耳にしたものだが、最近ではこういう歌曲は流れてこない。それはともかく水生生物にとっては「水こそが母なる命」だ。
部農会ラインへ圧注、装着エルボが見える
取水路堤の補強