「尖閣を日本が盗んだ」と言うのなら、「今でしょ!」とばかりの鳩山由紀夫発言。本人にとっては、「友愛」「東アジア共同体」の礎となるつもりの発言なのだろうが、日本国の首相までやった男が、かくも無能で脳天気なのを知った中共(=中国共産党)首脳は、半ば絶句し「日本人もここまで劣化したのか」「小日本など恐れるに足らない」と確信したはずだ。
鳩山由紀夫、菅直人は、ともに「理系政治家」だ。かつて「朝日新聞」は「理系政治家」は理性があり、清廉潔白だと誉めそやしたことがある。だが、両者が日本政治史上、稀に見る愚者だったことは、今や明らかだ。歴史感覚の欠如が彼らの致命的な欠陥だ。
戦前は軍国主義、侵略の歴史だったと納得し、そこからは何も学ばない。われわれ「市民」の権利は、「平和憲法」によって活かされているというのが、この両者の歴史感覚だ。
日本と中国の近代化過程を年表風に追ってみると、およそ40年のタイムラグがあることが分かる。
【日本】 【中国】
1840 アヘン戦争
1853 ペリー来航 ↑
近
1868 明治維新 代
化
1890 大日本帝国憲法 ↓
1894 日清戦争 ↑
戊戌変法 近
清末新政
代
1911 辛亥革命
化
1927 国民革命 ↓
日本が近代国家に必要とされる社会制度を整えたのは、「ペリー来航」(1853)による「西洋の衝撃」から「大日本帝国憲法」発布(1890)までの、およそ37年間。中国は「日清戦争」(1894)から国民革命(1927)までの36年間となる。タイムラグとはこの期間の違いを意味する。
古くはスペイン、ポルトガル、さらには「大英帝国」の消長を例に挙げるまでもなく、国家にも生誕から没落までの歴史過程があると考えられる。この考えからすれば、先年の尖閣事件は、日中両国にとって象徴的な出来事であると思われる。
すなわち、近代化に出遅れた中国人は、これまで日本に対してアンビバレントな感情を持ち続けてきた。ひとつは中国を侵略した日本帝国主義に対する憎しみの感情、もうひとつは経済的に繁栄した「豊かな日本」に対する嫉妬と憧れの感情だ。
だが、改革開放後の中国は、急激な経済成長を遂げ、もはや日本に学ぶものはない、という感情を持つに到った。その象徴的な出来事が、尖閣事件であるというのだ。これはS教授(中国近代史)から伺った話でもあるのだが、まさに成長する中国と縮小する日本が交差する尖閣事件について、元首相が「尖閣を日本が盗んだ」と言ったのだから、中国からみれば、これは「中華」の復活、すなわち華夷秩序の復活に他ならないだろう。
まさに尖閣事件に前後して、中国人(漢民族)の「中華思想」は復活したのだ。かれらが、民主主義、人権という西欧的概念をそのまま採り入れることはないだろうし、従って漢民族が支配する少数民族地域、チベット、内モンゴル、新彊ウイグルを手放すこともあり得ないだろう。
ルーピー鳩山は、こんな基本的なことさえ知らないのだろうな?
鳩山氏、尖閣問題で「『日本が盗んだ』と思われても仕方ない」
2013.6.25 12:42 【産経新聞】
鳩山由紀夫元首相が香港のフェニックステレビの取材に対し、沖縄県・尖閣諸島の領有権を主張する中国政府に理解を示す発言をしていたことが25日、分かった。尖閣をめぐる歴史的経緯に言及し、「中国側から『日本が盗んだ』と思われても仕方がない」と述べた。発言は同日午前、中国内外に向けて報道された。
鳩山氏は既に政界を離れているが、首相経験者だけに尖閣諸島に領有権問題はないとする日本政府の立場と相いれない発言内容が、日中両国の世論や尖閣情勢の今後の推移に影響を与える可能性もある。
中国は日本の尖閣領有について、第2次大戦中のカイロ宣言にある「日本が盗み取った中国東北地方や台湾などの島しょを中国に返還する」との規定に違反すると主張している。これに鳩山氏は「カイロ宣言の中に尖閣が入るという解釈は中国から見れば十分に成り立つ話だ」と明言した。
鳩山由紀夫、菅直人は、ともに「理系政治家」だ。かつて「朝日新聞」は「理系政治家」は理性があり、清廉潔白だと誉めそやしたことがある。だが、両者が日本政治史上、稀に見る愚者だったことは、今や明らかだ。歴史感覚の欠如が彼らの致命的な欠陥だ。
戦前は軍国主義、侵略の歴史だったと納得し、そこからは何も学ばない。われわれ「市民」の権利は、「平和憲法」によって活かされているというのが、この両者の歴史感覚だ。
日本と中国の近代化過程を年表風に追ってみると、およそ40年のタイムラグがあることが分かる。
【日本】 【中国】
1840 アヘン戦争
1853 ペリー来航 ↑
近
1868 明治維新 代
化
1890 大日本帝国憲法 ↓
1894 日清戦争 ↑
戊戌変法 近
清末新政
代
1911 辛亥革命
化
1927 国民革命 ↓
日本が近代国家に必要とされる社会制度を整えたのは、「ペリー来航」(1853)による「西洋の衝撃」から「大日本帝国憲法」発布(1890)までの、およそ37年間。中国は「日清戦争」(1894)から国民革命(1927)までの36年間となる。タイムラグとはこの期間の違いを意味する。
古くはスペイン、ポルトガル、さらには「大英帝国」の消長を例に挙げるまでもなく、国家にも生誕から没落までの歴史過程があると考えられる。この考えからすれば、先年の尖閣事件は、日中両国にとって象徴的な出来事であると思われる。
すなわち、近代化に出遅れた中国人は、これまで日本に対してアンビバレントな感情を持ち続けてきた。ひとつは中国を侵略した日本帝国主義に対する憎しみの感情、もうひとつは経済的に繁栄した「豊かな日本」に対する嫉妬と憧れの感情だ。
だが、改革開放後の中国は、急激な経済成長を遂げ、もはや日本に学ぶものはない、という感情を持つに到った。その象徴的な出来事が、尖閣事件であるというのだ。これはS教授(中国近代史)から伺った話でもあるのだが、まさに成長する中国と縮小する日本が交差する尖閣事件について、元首相が「尖閣を日本が盗んだ」と言ったのだから、中国からみれば、これは「中華」の復活、すなわち華夷秩序の復活に他ならないだろう。
まさに尖閣事件に前後して、中国人(漢民族)の「中華思想」は復活したのだ。かれらが、民主主義、人権という西欧的概念をそのまま採り入れることはないだろうし、従って漢民族が支配する少数民族地域、チベット、内モンゴル、新彊ウイグルを手放すこともあり得ないだろう。
ルーピー鳩山は、こんな基本的なことさえ知らないのだろうな?
鳩山氏、尖閣問題で「『日本が盗んだ』と思われても仕方ない」
2013.6.25 12:42 【産経新聞】
鳩山由紀夫元首相が香港のフェニックステレビの取材に対し、沖縄県・尖閣諸島の領有権を主張する中国政府に理解を示す発言をしていたことが25日、分かった。尖閣をめぐる歴史的経緯に言及し、「中国側から『日本が盗んだ』と思われても仕方がない」と述べた。発言は同日午前、中国内外に向けて報道された。
鳩山氏は既に政界を離れているが、首相経験者だけに尖閣諸島に領有権問題はないとする日本政府の立場と相いれない発言内容が、日中両国の世論や尖閣情勢の今後の推移に影響を与える可能性もある。
中国は日本の尖閣領有について、第2次大戦中のカイロ宣言にある「日本が盗み取った中国東北地方や台湾などの島しょを中国に返還する」との規定に違反すると主張している。これに鳩山氏は「カイロ宣言の中に尖閣が入るという解釈は中国から見れば十分に成り立つ話だ」と明言した。