今週末でロードショー公開が終わるという映画「海賊とよばれた男」を遅ればせながら隣県のシネコンに見に行った。
日承丸の進水式のシーンで、マストに飾られた万国旗の中に「五星紅旗」(中華人民共和国の国旗)があったのには驚愕した。「日章丸事件」が起きたのは1953年だから、この「日承丸」が建造された時点での中国国旗は、「青天白日旗」(中華民国の国旗)でなければならない。1972年以前、日本と国交関係のある「中国」とは「中華民国」(台湾)のことであり、大陸の中国は「中共」と呼ばれる未承認国家だった。こんな簡単な時代考証さえできない時代になってしまったかと嘆息。作者の百田尚樹氏も気が付かなかったのだろうか。これはまさに、中共(=中国共産党)の思いどおりに、歴史認識が歪められていくという具体例なのではないか、と危惧せざるを得ない。
映画はとてもよかったけれども…。
(五星紅旗)
(青天白日旗)