先週の土曜日放送された「所さんの目がテン! 中国人」という番組(日本テレビ系列)は、とても面白かったので、先日次のような感想を記した。
「昨日、日本テレビ系列で放送された「所さんの目がテン! 中国人」をビデオで見る。中国人の特性がよくでていて、とても面白かった。
中国人に対する一般的なイメージは、①列に並ばない、②決して謝らない、③いつも怒っているだった。
①については、北京のバスターミナルでビデオ撮影して観察。その結果、必ず割り込みをする人間がいることが分かる。係員の制止も無視して、平然と割り込むのだ。これに対して、列に並ぶ人が、数珠繋ぎになって対抗するという写真も映し出された。何故、このようにマナーが悪いのか、その原因について、在日中国人の日大教授は「中国人には行列を守るという習慣がない。それは戦乱の歴史のせい」だと解説した。戦乱の歴史!?それでは、何の説明にもなっていないのだが…。「中華人民共和国」建国以来、60年も経過しているのだから、近代国民国家の体裁はもう整ったはずだ。にもかかわらず、行列のひとつさえ守れない社会であるという事実は、中国共産党の国造りに根本的な欠陥があるとしか思えない。
②の「決して謝らない」というイメージに関しては、昨年、家人が北京に旅行したとき、北京在住の友人から「街で人にぶつかったりしても、決して先に謝ってはいけないよ」と釘をさされたという話を思い出した。このTV番組では、日中それぞれ15人の学生に対して、どっきりカメラのような実験を行った。すなわち、「世界で一番軽い皿」という表示を付けた皿を割ってしまったとき、素直に謝るかどうかの実験で、日本人は全員が「すみません」と謝罪したのに対し、中国人全員は「私が割ったのではない」「最初から割れていた」と謝罪を拒否した。」
この番組について、ネット上に書かれた感想を見ていたら、「謝った中国人学生もいるらしい」という書き込みを見つけた。問題になったのは、上記の「中国人全員は「私が割ったのではない」「最初から割れていた」と謝罪を拒否」したという部分。そこで、番組の半分ほどを録画したビデオを改めて見ることにした。すると、3番目の女子学生は確かに「対不起、対不起(=ごめんなさい)、私が壊したのではありません、最初から壊れていました」と言っている。ただし、字幕では「対不起」(ごめんなさい)と2回言う部分は表示されないのだ。この「実験」の結果、「中国人は全員が謝らなかった」という、番組としての結論が導き出された。
日本テレビとしては、バラエティ番組だからと気楽なつもりで制作したのかも知れないが、中国人女子学生が明らかに「対不起」(ごめんなさい)と謝罪している映像を流しながら、反対の結論を字幕で表示するとは、あまりに杜撰、いい加減としか言いようがない。当該女子学生の立場になれば、「ごめんなさい」と二度謝って、「私が壊したのではありません、最初から壊れていました」 と言ったのは、割れるはずもない皿を手にしたとたんに、皿がパカ~ンと割れたのだから、当然至極の反応なのだ。
中国人が①行列に並ばない、②決して謝らないというのは、概ね事実だろう。だが、どっきりカメラのような「実験」をして、その結果を一般的印象に結びつけるのはいかがなものだろうか。媚中傾向が顕著な各TV局の中では、極めてエキセントリックな面白い企画ではあったが、同時にあまりにお粗末だったと言っておく。
捏造の尻尾を隠さずにそのまま放送してしまった、お粗末な番組。在日中国人は、この番組を「捏造」だとして抗議する「権利」を留保したことになる。万が一、抗議されたら、日本テレビはすぐに謝罪するのか!?