澎湖島のニガウリ日誌

Nigauri Diary in Penghoo Islands 澎湖島のニガウリを育て、その成長過程を記録します。

マントヴァーニの音楽を愛したH氏の思い出

2017年06月07日 02時37分17秒 | 音楽・映画

 一昨日、突然、兵庫県から電話をいただいた。相手はH氏の奥様。突然だったから、ある予感がよぎった。そして、それは的中していて、H氏の突然の訃報だった。

 H氏は長く開業医をされてきた。職業上、多忙で地元を長く離れられないこともあって、とりわけ音楽を愛されたのだろう。クラシック音楽に造詣が深かったが、その流れを汲む「ムード音楽」、中でもマントヴァーニ楽団(Mantovani and his orchestra)のカスケーディング・ストリングスを愛聴された。

 もう30年近く前になるだろうが、CDが普及し、レコード(LP)がほぼ「過去の遺物」扱いになりかけていた頃、私は、マントヴァーニのアルバム(LP)が一向にCD化されないのに業を煮やして、ポリドール社(当時)に問い合わせたことがあった。それがきっかけとなって、H氏の存在を知ることになり、H氏ご夫妻にもお会いする機会を得た。

 H氏からは、貴重なお話をうかがい、さらには重要な資料をたくさんいただいた。それは、「華麗なるマントヴァーニの世界」(2008年 ユーキャン発売、CD10枚組のマントヴァーニ集)のリリースとして結実した。このCD集は、今なお現役なのが、何よりだ。

 マントヴァーニを知らない世代が多数派になり、H氏が亡くなられた現在、諸行無常の寂寥感を感じざるをえない。けれど、カスケーディング・ストリングスに心をときめかせた共通体験は、私の心の中にはしっかりと刻まれている。心より、H氏のご冥福をお祈りしたい。


往年のマントヴァーニ・オーケストラ(右端の指揮者が、マントヴァーニ)


マエストロ・マントヴァーニ

 
H氏のご尽力でリリースされた「華麗なるマントヴァーニの世界」(ユーキャン)

往年のマントヴァーニ・ショー(BBC)の珍しい映像はこちら↓↓