まんさく、北海道では福寿草のことを、そう言います。今はあまり言いません。
雪がとけた黒い土の下から、まんさくの小さな芽を見つけたら、北海道にも、やっと春が来たと実感します。その芽が成長して、蕾をつけたら、嬉しくなります。やがて、黄色の花が咲くと、黄色い花が眩しいほどです。
「可愛いね。」「綺麗だね。」「今年はちょっと小ぶりだね。」「いやいや、まだまだ大きいのが咲くべさ。」と美辞麗句をならべて、黄色い春を楽しみます。でも、いつのまにか、あれだけ可愛かったまんさくのことなど忘れて、次の花に目をやります。
でも、まんさくは枯れたわけではありません。まだまだ、頑張っているのです。小さかった葉を大きく広げ、太陽の光をいっぱい浴びて、次世代への種を育てています。
何かに、似ていませんか。娘が生まれて可愛い可愛い、よちよち歩いてさらに可愛い。やがて花が咲き嫁に行く。子供が産まれる。忙しくて化粧もできず、専業主婦。夫でさえも忘れがち。娘と嫁では大違い。嫁と母では段違い。一所懸命頑張っている女性を見てあげてください。そして、頑張っていることを誉めてあげてください。