世の中には大変な事、辛い事は世の中にたくさんあるが、先日久しぶりに絶望的な状況と遭遇した。
約2時間掛けて登頂した日本一の石段から降り始めていると、後方から若者たちのはしゃぐ声が聞こえて来た。ゆっくりと手すりに掴まりながら慎重に下る私たちを尻目に野猿のように飛び跳ねながら風のように駆け下りて行った。
上り慣れた地元の子たちなのか?彼らの躍動感のある背中を眺めつつ、さらにゆっくりと下山を続ける。階段の雪も無くなり、ゴールまであとわずかな時点で上り始めていたひとりの若者と遭遇。よく見ると先程の若者で彼から掛けられた言葉に絶句した。
「携帯落ちてなかったですか?」
ひぇ~「携帯鳴らしてみた?」「繋がらないんです」とのやり取りの後、彼は再び上り始めた。東京スカイツリーの階段数は2523段とのことなのでそれをイメージして貰えば彼の絶望感が分かると思うのだが、ツリーには各所に人がいるのでまだ連絡が取りやすいが、誰にも頼ることが出来ないほぼ人っ気のない山道でなので自分で何とかしなければならない絶望的な階段上りである。もし自分だったらようやく上ったあの階段をまた上るなんてあり得ず、反射的にポケットの携帯を今一度確認してしまった。
早い「段階」で見つかるといいのだが・・・