

シロベニヒカゲ物語 その壱
シロベニヒカゲの発見
北海道におけるベニヒカゲ( Erebia neriene)の変異としては前翅表の橙色斑の色調(天人峡や羅臼岳などの暗色橙色斑)や眼状紋の増減・性状(道北のメナシベニヒカゲなど)、裏面白帯性状(利尻島のオウゴンベニヒカゲ、礼文島のシロオビベニヒカゲなど)などが主なものである。

これは通常型と思われるキタベニヒカゲ♀。 Erebia neriene。 花はこの発生地での主たる吸蜜植物のヨツバトウヒレン。
一方、北海道では場所によってはベニヒカゲは極めて多産し、多数個体を検するとこれらの変異は一般的に地域変異なのか個体変異なのかすらわからなくなってしまう。
私たちは、1991年8月15日に偶然に北海道中標津町清里峠で前翅の橙色斑の赤みが消えて淡いクリーム色に変化した特異なベニヒカゲ個体群を発見した。



飛翔中は前翅橙色斑が白く見えるためこれをシロベニヒカゲと呼んだ。
シロベニヒカゲが見られる場所はとても狭い範囲であったので、愛好家の殺到による絶滅を恐れて、あえて公表することなくその後20数年間、継続的に調査観察をした。
この項、続く。

