ペルー産ベニコノハの謎
この一見とても印象的な 南米産タテハチョウは日本では、なんとなくベニコノハと呼ばれているようです。
ちょっとその気になってこの蝶を調べてみようかと思ったもののネットレベルでは ほとんど情報がなく、 D' Abrera ダブレラの Butterflies of the Neotropical Region Part 5 Nymphalidae and Satyridae p 720-721 に多少の解説を発見したのみでした。
私はペルーのアンデスアマゾンでベニコノハとおぼしきこの蝶を何度か撮影したり採集する機会がありましたが、帰国して調べてみると、このダブレラの解説が書かれた当時では 種 Siderone thebais はペルーからは記録がなかったようです。
というより、近年この蝶がペルーからもたらされるようになって、さほど時間がたっていないのかもしれません。
さて、問題はこの蝶にはかなりの多形性 highly variable species と 季節型 seasonal dimorphism がある可能性が述べられ、それを根拠にざっくりまとめて えいや こいつらは実は 2種なのだ、 すなわち S. thebais と S. marthesia の 2種として説明しようとしているところです。
そうではなくて、多形性と季節性 とういうよりは、もっと沢山の種が含まれているのではないかとの意見もあるようです。
たとえば 私たち日本人みたいに翅型、斑紋、色調など微細な変化にやたらとこだわる視点からみると ダブレラが 同じ S.thebais として呈示している2個体は どうみても別種に見えてしまう。
まあ、今回は ペルー産ベニコノハ? は Siderone thebais セバイスベニコノハ といった名称にしておきたいと思います。今後のベニコノハ属の再検討を 中南米~南米の標本を多数もっておられる方、 または現地での生態的観察などを出来る方 に期待したいと思います。
南米ペルー、アンデスアマゾンで アミドンアグリアス Agrias amydon と吸水中の セバイスベニコノハ。
最後まで見ていただきありがとうございます。できましたらランキングポイントアップのために下記の バナー をワンクリックしていただければ幸いです。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます