前日までの比叡山・京都紅葉巡りの同窓会を終えて、久しぶりに京都に住む弟宅へ寄せてもらい温かい歓待を受けて、近づいた奈良マラソンや近況を語り合った。
今回は、久しぶりに奈良遷都1300年記念で賑わう、奈良大和路を歩こうと 案内を依頼して快晴の秋空の下で、京都木津川の『当尾(とうの)の里』の石仏めぐりと奈良公園散策を楽しんだ。
この日は、京田辺を車で出発して奈良へ向かったが、木津川の加茂町当尾地区には、多くの石仏や石塔があり、「美しい日本の歩きたくなる路500選」に選ばれているそうで、関西では有名なハイキングコースであり、楽しみにしていた。
時間の制約もあり、浄瑠璃寺に駐車して岩船寺に向い 往復コースの里山を速歩しながら、ユニークな石仏の数々や秋深まる山野の風景を楽しむことが出来ました。
木津川市の案内によると、当尾地域は奈良の興福寺の別所として、仏教文化の花開いた地域だそうで、この辺りには花崗岩の岩石が多く、山肌には至る所に巨石が露出しており、鎌倉時代後半多くの磨崖仏が造立されたようだ。
スタートはひっそりと佇む古刹「浄瑠璃寺」に参拝したが、山門をくぐって境内に入ると色彩やかな紅葉に囲まれた宝池があり、大小の九体仏の阿弥陀如来(国宝)が並ぶ堂内は、神秘的な空気が満ちていた。
阿弥陀本堂を出て宝池をまわり三重塔からの池越しの本堂や庭園の景観も素晴らしく、多くのカメラマンの撮影ポイントだそうである。
石仏散策路に出てしばらく下ると、山影に「藪の中三尊」を発見、さらに三差路には「あたご灯籠」、「カラスの壺二尊」、などが4、5分間隔で道端で待ち受けていました。さらに「カラスの壺」の分かれ道から 竹藪や雑木林を抜ける里山の道を速歩で進むが、行き交うハイカーの姿も多く見かけられました。
約10分ほどアップロードを登ると、当尾で一番有名だと言われる『わらい仏』と『ねむり仏』が、にっこりと微笑んで迎えてくれた。如何なる経緯があるのだろうか?「わらい仏三体」は、斜めに鎮座しており、「ねむり仏」は、土の中で休んでいるのだそうだ。
さらに約10分登って弥勒磨崖仏のある「ミロクの辻」を左折して、『岩船寺(がんせんじ)』へと向かう。 『岩船寺』には、観光バスで参拝客が見えており 境内はかなり混雑していたが、この日は、ラッキーにも、朱色鮮やかな三重塔の中が一般開放されていたのだ。
地元では、アジサイ寺として有名だそうですが、裏山に登ってみると、当尾では最高地点だそうで、貝吹岩という一枚岩があり、素晴らしい展望が望めました。案内板によると、ここから法螺貝を吹いて一山の僧に集合合図をしていたそうです。
岩船寺を出て浄瑠璃寺へは、地元の中学生のグループと同行して、ボランテイアのガイドに案内されて「不動明王磨崖仏」へ到着。聞けば心ひとつにして願いごとを祈れば、一つだけ成就するのだそうで、中学生は受験合格を祈願したそうです。
再び「わらい仏」を経由して浄瑠璃寺(九体寺)へと戻ると地元の農家の無人販売所では、秋の産物が並び、晩秋の香り一杯の山里の空気に酔いながら心が和むのを覚えて、最終目的地の奈良へと急いだ。