紅葉が関東地区中心に訪れて各地の情報が流れる中で、銀杏の名所である東京大学本郷キャンパスへスケッチ散歩に出かけてきた。
晩秋の快晴となり、昨年も訪れていた東京大学の銀杏並木は、やや早いかなと思っていたが、赤門から構内に入ってみると、期待以上に黄葉が進んでおり、朝日を浴びて見事な黄金色の空間が広がっていた。
構内を、法文館~図書館~イチョウ並木通り~工学部1号館~安田講堂~理学部館と、スケッチポイントを探しながら一巡したが、イチョウ並木は黄色一色の絨毯を敷きしめたイエロー街道になっており、別世界のようである。
中でも工学部1号館前のロータリーのイチョウ大木は、単木として枝を広げて素晴らしい樹形と色合いをなしており、神木のような神秘さを感じる程である。
昨年のこの時期にも訪れているが、重要指定文化財や登録文化財の建造物が軒並みであり、どれを描いても画になるが簡単には寄せ付けない威圧感さへ覚えるほどで、迷いながらスポットを捜し歩いた。
エリート集団が学ぶ日本の最高学府故に、建物のみならずキャンパスには、レトロで重厚な雰囲気が漂っており、エリートが育つ環境が整っていると感心させられた。
東京大学のシンボルでもある「安田講堂」は、イチョウ並木の突き当たりに威風堂々と建つ時計塔が見え隠れしており、ネオ・ゴシック様式の意匠と茶褐色のタイルを纏った重厚な雰囲気は、建物に威厳さへ感じ、今回もイチョウ並木の先の安田講堂に惹きつけられて挑戦した。
あの大学紛争時代の全共闘の占拠に機動隊突入した事件の欠片すら見られず、すっかり講堂として復元されているようで、多くの見学客が出入りしていました。
この日は、休日であったためか、学生の姿は少なかったようであるが、観光ツアーの見学グループやカメラマンの姿が大変多く、安田講堂周辺には、他のスケッチグループも多くみられていた。
午前中は、社会科学研究所とイチョウ並木を早描きで描き上げて、安田講堂前の中央食堂でお昼を摂ったが、散歩客やツアーグループなどでごった返しており、窓口には長蛇の列が出来ていた。
午後は、再度講堂入口脇からそのレトロ感にチャレンジしていると、行き交う人々から声を懸けられて、羨ましがられたり冷やかされたりで、楽しく交流も弾む・・・・
合間を見て御殿下グランド周辺を散策してみたが、記念館などはレトロ建造物が新装改築されてすっかりリニューアルされていた。周りのイチョウからは銀杏が沢山落ちており独特の臭気が漂っていたが、多くの拾い集める人もあり一緒に拾い集めたが、切りがないほどである。
晩秋の青空の下でのイチョウ黄葉に気持ちも心も真っ黄色になるほど、堪能してのスケッチ三昧に酔いしれた一日でした。