連日真夏日が続いていますが、立秋を迎えたこの日は、鎌倉の夏の風物詩として約70年の伝統を誇る「鎌倉八幡宮 ぼんぼり祭」が開催されており、出かけてきました。
前日の「夏越祭」に続いて、立秋の日の8日には「立秋祭」、源実朝の誕生日に当たる9日には「実朝祭」が行われる伝統の行事となっており、夏から秋への季節の移ろいをいち早く感じる時となっている。
夕暮れ時の6時前に鎌倉駅に到着したが、段葛通りには浴衣姿の若いカップルなど八幡宮へ向かう人の流れが出来ており、お昼の観光客の賑わいとは異なり、和やかな雰囲気が感じられていた。
大鳥居をくぐり境内に入ると、太鼓橋には関係者だろうか?カメラマンが鈴なりになってぼんぼりの点灯を待ちわびていたが、あの太鼓橋には立ち入り禁止の筈だと思いながら、境内へと入った。
源平池には、時期を過ぎた紅白の蓮の花が池一杯に見られたが、早朝にはまだ見事な花が見られそうでした。
7時前に参道のぼんぼりに点灯されると、参道にはぼんぼりの灯の帯が出来あがり日暮れと共に幻想的な雰囲気が醸し出されていた。
参道には、鎌倉にゆかりのある文化人や各界の著名人などが、揮毫された書や画が約400点が並び、一つ一つ作者の名前を確認しながら本殿へと進む参拝者が参道一杯に帯が出来ていました。
毎年、ぼんぼりに書かれている書や画に興味をもって見ているが、今年は世相を反映して圧倒的に「がんばろう・日本・・」、「復興日本」など大震災に関わるものが多かったが、明るい話題では、「なでしこJAPAN」の活躍を描いたものが目立っていた。
漫画家の土田直敏の描かれた「なでしこ日本一」を描いたぼんぼりには、多くの参拝者の人気を得ていたようだ。
著名人には、石原慎太郎氏ほか、扇千景、岡田武史、朝丘雪路、秋吉久美子、竹中直人、小泉淳作、みのもんた、養老孟司など・・各氏の名前が見られたが、鎌倉に縁ある文化人や著名人は実に多い。
舞殿まで進むと、丁度、西川流の日本舞踊が奉納されており、暗闇の中の舞殿で演じられる踊りには、神々しい光が輝いているようでした。
本殿へ向かう階段には、舞殿の舞を観る観客席と化しており、この日ばかりは、大銀杏も脇役となっていたようだ。
舞殿の上の空には、おぼろ月が見られており、鎌倉の夜は、暑さを忘れる涼味一杯の夜が続いていました。
数あるぼんぼりの中で、管理者が一番気に入ったのは、やはり石原慎太郎氏の「沈没しかかっているこの国の救いを訴えていた」2作品であった。
本殿に復興の祈願をして、八幡宮を後にして小町通りを歩いて見たが、日中の混雑は嘘のように、全ての店は閉じられて暗い小町通りだった。