パリ経由でミデイー・ピレネー地区のトウールーズ空港に到着したのは、夜の8時を過ぎていた。
小雨降る寒い中、バスに乗り換え一路目指す最初の地 カステルノーダリーのホテルに着いたのは夜深く10時近くで、旅支度を解くまもなく長い長い一日の疲れでベッドに倒れこんでいた。
翌朝21日早朝に目が覚めれば、窓からミデイー運河が見えており、のんびり感が沸いてくるようであった。
初日は、ベテラン添乗員に案内されてミデイー運河周辺に広がる美しいカステルノーダリーの街並みを案内されたが、世界遺産に登録された運河には、17世紀からの歴史がそこかしこに感じられて、すばらしいスケッチポイントが展開されていた。
運河の川面には、古い館や礼拝堂が影を落とし、その上をのんびりと泳ぐ白鳥と散歩を楽しむ待ち人が行き交い、素朴感が漂っていた。
運河は水上交通路として利用されてきたようで、今もクルーズやレジャーボートが行きかっていた。
興味を抱いたのは、高低差を克服すべく水位を調整して船を進める水門が設置されていて、約30mはあるのだろうか、4つの水門を操作しながらレジャーボートが、順番に移動している光景である。
専門の水門管理者がいるのではなく、ボートの利用者が自らゲートを操作して器用に船を移動させていた。
ボートには、サイクルが乗せてあり水門を通過してからは、川辺の路をサイクリングしながら家族で楽しんでいるようだった。
また、サイクリング中の方に声をかけてみれば、約1ヶ月かけて南フランス地方を自転車で移動してバカンスを楽しんでいるというのだ。
自転車には、後輪に生活に必要なすべての生活用品を積んでいた。丁度、復活祭が終わりフランスはバカンスの時期だったようだ。
しばし、スケッチポイントを探りながら散策して、街中のカフェ&レストランで昼食を摂ったが、ここもバカンスのためか?平日にも関わらず多くの人の溜まり場となっていて、陽気にゲームやドリンクを楽しんでいた。
我々の一団を珍しそうに眺めており。カメラを向ければポーズを取って、歓迎のサインを送ってくれていた。
サンドウイッチを注文すれば、なんと近くのベーカリーへフランスパンを仕入れに出かけていたようで、出されたサンドウイッチは、約70cmもありそうな巨大なパンで、これには一同ビックリだった。
食後には、思い思いのポイントに出かけて筆を走らせたが、行き交う人々が足を止めてスケッチを覗き込み、声をかけていった。
時折小雨降る寒い陽気であったが、長い午後のひと時を3枚4枚と描く仲間もあり、世界遺産の景観を楽しみながらのんびりと時を過ごして1日目を終えていた。