1964年に開催された東京五輪を記念に設置された「体育の日」を迎えて、先日、文部科学省より「体力・運動能力の調査結果」が発表された。
今もあの10月10日の抜けるような日本晴れで開催された東京五輪の開会式で、国立競技場の上にブルーインパルスが描いた五輪マークを鮮明に想い出すが、思えばあれから約半世紀が過ぎている・・・
メデイアの報道によると、成人若年層の体力は低下傾向にあるが、中高年の体力は向上しており、特に70歳以上の体力は過去最高レベルにあるそうです。
6万6千人の調査結果では、近年は健康志向が高まり、スポーツクラブの活用するなど運動・スポーツを継続して実施する人が多くなっていると聞く・・・
しかし、周辺の状況を見ていると、文科省の発表結果には、多少なりと疑問を抱かざるを得ない。
スポーツ基本法に基づく、地域スポーツの普及・振興の任を担う社会体育振興協議会(社体協)に加わって30年になるが、地域の社会人のスポーツイベントへの参加率は決して高いとは言えない現状である。
我が街の市民総合体育大会における各競技への参加者が年々減少傾向にあり、地域対抗競技が成り立たず、また、地区社体協が主催する各種大会も各町内会の選手集めに大変苦労しているのである。
理由には高齢化などが言われているが、住民の繋がりが非常に希薄になってきており、世話人の不足も大きいと感じている。
最近は、技を競うスポーツから楽しむニュースポーツへと軸を移しているが、参加者の減少は回復傾向とは言い難い現状である。
少子高齢化が進み余暇時間の増大やストレスの増加など変化する中で、誰もがスポーツに親しめる環境づくりを行い、スポーツを通じて健康で明るい活力ある社会の形成には、住民のライフサイクルに合った運動を継続する「生涯スポーツ」の大切さが言われており、地域スポーツの普及・推進に社体協の役割も大きくなっていると実感している。
一方では、過ってないマラソンブームやサイクリング、トライアスロンなどの人気が高まり、スポーツ人口が増大しているのも現実である。東京・大阪・神戸などの大型シテイ・マラソンは、5~10倍の倍率となっており、出場権を得るのもままならない状況である。
この状況の矛盾は良く判らないが、一つにはスポーツを志向する人のライフスタイルや好みに合ったスポーツには集まるが、地域のしがらみなどを避ける傾向なのだろうか?
また、運動をする人としない人が二極化していることもあるようだ。
日本は、健康長寿国として世界一となり高齢化は進んでいるが、現実は「健体康心」で長寿を楽しむようにはなっていないのが現実のようである。
子どもの体力では、最近の運動会を見ていても、高齢者と似ている傾向がみられ、スポーツを楽しむ子は、ジムに通いスイムやリズム体操に、休日には野球やサッカーなどを行っているが、やらない子は運動には背を向けて全く興味を示さないようだ。
春に行われた子ども体力テストの現場も見ていたが、その二極化は歴然としていた。
親の対応にも大きく影響されるようで、子供の時から親と共に各種大会へ参加する子の関心度は高く運動能力も必然と高くなっている。
中高齢者には、仲間づくりや生甲斐を求めて、地域スポーツや個人競技に参加する人も多いが、家に灯籠る人も多く見られ 体力の維持向上には、定期的継続的な運動習慣が必須である。
社体協の一員として。住民が気軽に運動に親しみ、地域のコミュニケーションの輪を拡げることに更なる努力が必要であることを自覚する体育の日であった。
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