「世の中、ちょっとやぶにらみ」

本音とたてまえ使い分け、視点をかえてにらんでみれば、違った世界が見えてくる・・・かな?    yattaro-

「遺産」

2012年07月24日 | 趣味・・エッセイ

    

親父さんが亡くなったのも、今年のように暑い暑い夏だった。あれからまる39年。
もう少し早く結婚していれば、孫を抱かせてあげられる時間がもっと長かったろうし、その分親孝行が出来たのかな・・・などと思うが後の祭り。
長女が生まれて半年後、一気に弱って1週間の患いで逝ってしまった。

よく考えてみれば、あっけなく逝った親父さんから遺産らしきものは何ももらわなかったな~、と思う。但し、その後長~く一緒に暮らしたおふくろさんに、遺族年金という生活費を遺して行った。お陰で、おふくろさんと同居とはいっても、経済的にはこちらが扶養するなどではなく、逆に援助してもらうこともあるような、共同生活的要素が強かった。

とりとめもなくそんなことを考えていたら、親父さんが遺してくれたものってとっても大事な、大きな遺産であることに気がついた。そんな思いを250字の世界に書き留めてみた。


『 熱いお粥に熱いみそ汁。何十年も続いている我が家定番の朝ご飯。
 おふくろがおやじさんにずーっと作り続けてきた。
 引き継いだかみさんが今もその習慣を守ってくれている。
 風邪気味でも二日酔いでも、すーっと喉を通る。とたんに元気が出る。
 お陰で目下病気知らず。

 遺産らしきものはなかったが、おかゆとみそ汁という胃に優しい朝ご飯と
 この健康体を遺してくれた。
 ささやかなことではあるが、大きな遺産をもらったと心得よう。

 兄妹が争うほどの遺産をもらってもねー。
 あったらあったで邪魔にはしないのだろうが 』

                 2012.7.24 毎日新聞はがき随筆 掲載


ついでに付け加えておくと、熱いおかゆに熱いみそ汁、それにも一つ熱い牛乳がワンカップ。この時期になると食べ終わったら汗が流れる。どうかしたら上半身裸で食べたくなる。それでも、朝ごはんは欠かせない一日のスタミナ源である。ただ不便なのは、旅行などで朝ごはんに出てくる牛乳を「チンしてください」とお願いしなければならないのは、ちょっと小恥ずかしいこともある。

過保護などと言うなかれ、もしそれが現在の薬いらず・医者いらずの健康を保ってくれているとすれば、自分のためは言うに及ばず、世のため人のためでもある。
真似をされてみては如何かな、ご同輩。

コメント (11)
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